コンテナガレージ

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満月は眺めます  1  2003

 火曜日。あぶれるお客は格段に少なく、「食べられる時間帯に各自が調整をするのでは」的確な国見の指摘に、連続勤務はいくら技量の劣る私のためとはいえ、平日の休みはあるまじき行為、館山リルカは体調を損なう熱射病と店主は打ち明けていた。刑事が最寄り駅へ送る車中、「良心を信じ、公表を待って他者に真実を」命の保証をできかねます、彼らは場を収めたが事の発端には、ということ、二度目夕方に店は閉る。

「食べられる人数は増えたんだ」小川はtime cardを手に、店主へ「明日の仕込みをです、残る私がいるとこれは切らずにおいたほうが、」ぶんぶか、彼女は首を振る、私の背後の国見に向けるのだろう。「店長」甘い声、「給料はdinnerを含めた勤務時間と私聞きましたもんね、これは私がいつまで働いたか私が確かめる数字で、残業代をせしめる不届き者ではありません」

甘んじて、「記録だったら肌身(いろ)は出さず、それに打ち込みな」まったく、頭だって使われずに残るのでしょう、甘ったれて、国見は記帳に戻る。

 肉と野菜にmenuを分けようと思う、「ええっー」小川はcardを戻し「ないない」と、顔の前で手を振る。小白菜をひょいと、いいですか、小窓へ向けて見えるように振り、窓は一面指紋にcow bellが開閉によらず音の鳴る。

 見たことか、目の色の変わるんですよ、肩の竦める小川はここで働くからかもしれませんけれどね、そうして外へ視線を。「帰宅はひやひやして、shoulder bagを止めて財布と一体型の肩掛けpouchに変えたんですよ」私の変化を知ってはいるでしょうが、片目は閉じかけた。

「私も」積まれた皿より手の上がる、地下鉄を下りて知らしめる、筋迎えのコンビニ前で野菜juiceは紙packを飲み干しますよ、無駄にお金の嵩む。最後は愚痴であるのか、店主は、だからこそなのさ、と二人に言った。縦と横、視線が挟む。

「食べたくと風潮が作る、かつてそれは肉をだと、呼び覚ますのさ、天秤にかけて煽る、だって明日にもここでは食べられるんだ、時間をかけて二度の時期が合うのならね」

 そうか、小川が危うく小白菜を落としそうに、外の観客に掲げてみせ、空の拍手が起こる。「平等に肉と野菜が選べたら、というのですね」

「目を付けられます」と国見が、

「野菜を取り扱い肉も、系列を多数であれば専門店は考えのみを僕から奪うね」だったら、息を漏らしてみすみす相手に渡して悔しいですよ、小川には、

「列を何年、僕らは町に示すのだろうか」国見は腑に落ち、席に着く。「開いた店にお客は殺到するね、ありつけて入店を目前むなしくも次回に誓うお客が視える。お墨付きは誰がだろう、お客ひとり一人だね、ならば供給の間に合わず取りこぼしたら、。ここはどうだろうか、違うね、いつも開かれて二度店は開き、列は並ぶにも口は今日ならばこの位置であると、お客は呟き帯同者にワクワクこっそりは、伝播、食べられることをそのほかが有して、」店長はやめた。尋ねた私がふがいないばかりに煩わしくて、小川の落ち込み項垂れるさまを感知した。

 着替えます、力のなく通路におり、「お疲れさま」国見が声をかけた。

「あしたはリルカさんと店長ですか?」彼女は着替えを済ませ出勤時刻を尋ねた。二品を扱う、人手が必要だろうと、もちろん献立は店長と夕方はリルカさんでしょうがね、言わずに顔がしかし喉まで言葉はあふれ出る。

「うん、けれどその前に片づけておかなければ、僕は乗り気でないからね」小首をかしげた小川は、あれまと裏口より彼女の背後に立つ探偵に目を見張った。

「鍵をかけ忘れてたぁ」

「そっち」

 窃笑に国見が息を殺して笑いが漏れた。