コンテナガレージ

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「私の指示に従い行動を取れても、誓約書のとおり命の保証はできかねますので」doorを開く前、確認は入念に、怖気づく者をふるいにかける、機体の揺れ、動きの制限に気圧の低下、心拍の増加、あられもない先の暗い人生と断絶、種田はハンドサインを送る。隣の熊田は私の次に飛ぶ、「肝が据わるは女性ですよ」インストラクターの経験談、何度飛ぼうとこれは愚弄だ、彼女は表情を引き締める、操るなど地に降りた体への負荷をないがしろに、やめておこう、集中だ、機会を逃すわけには、ひるんで隠れてしまう、一度きり、いざさあと、合図は私に、開場、形のなく荒々しい波が渦巻いて流入する、「いきます」宣言を熊田が間の悪く、装備の扱いを尋ねた刹那、切り離し、離脱、外へ空へ、種田は一人出た。吸い込まれる、身動きの取れず、体はエビに反り、機体にはぶつからずにぶれ定まりを嫌う視界、ぐる々と息を忘れた、低空だから、これは地上の体、一本に風をよそに遅れたからと、身がはがれるところ、泳ぐ彼ら鳥たちは生身で上昇も旋回も下降もだ、口ばしは尖るわけ。手首の合図、筋肉がつりそうに背面に流れた紐を、込めて、巨人に襟首の掴まれ上昇、なるほど息を止めていたのは私の意志か、先よりは安全を下した、現在地を端末が表示し、門からは離れよう熊田の到着を待たなくては。

 死を潜り抜けた爽快に見えた地上は錯覚、自重が落とし上げたは飛行機に燃料である、山に登り飛び出せば、いや死のうとは、身に染みて登頂を刻むさ。実りなき畑、ランディング、地上は命取りの落下傘をまずは、反芻し滑り込む、跳ねて、飛び出そうと、重力にここは地上と踏ん張り、力のなく萎れて、重い体を地を這って被さる。気の荒く、風に体ごと巻かれて、転がるもそれは地上。薄い青のなか光が向こうに、出口、「今日もか」、南国は雪と同じに悪態が諦めにいつ変わるのか種田は装備品を外した。上空は追いかけて、人、大きいあれでは格好の的に先人たちはいつしか体を小さく小食もだろう、大きな円を描いてぐるうりぐるりと、地の這う音、土埃り、遊ぶ余裕は見上げて熊田はたった、歩行に切り替えた。

「機材は使えるね?」同意、点検し私の使用によれば支払うつもり、経費が落とすものか。一本吸えそうだな、熊田は呑気煙草に火をつける。自然のなかで、早すぎて麻痺、あたかもビル群と野山を引き合いに理由をつけて、堪能したくば数日、数週間だ、自然が待つだろう。

「荷物を外に出します」敷地内の畑と側道は境目のなくわずかに土が道路を脅かす、ツナギと金具、種田は熊田の分も片手に音をなく道を渡り歩道へ荷物を置いた、「買い取り使い道があるとでも?」種田はいう。

「体重を減らそうと思う」

「お好きなように」熊田は端末を、出る。砂埃、巻き上げて二台か、耕運機のよう四角く車のそれとは産業用の機械、コックピットのガラス、視認は搭載するカメラが役目を、種田は手渡されるツナギを引き戻り、渡る前左右を確認した。上空、鳥が漂よう。交通規則、彼らはぶつからずにそれは命を落とし羽のあるものとは争わないな、高い声、声色、熊田は鼻をつまみ、熊田を演じていた。