コンテナガレージ

仕事(フリーライター)、日常、小説、その他諸々

「松本商店に落ち着きました。あれは、作戦だったの、ですかね」

「一本気だと思うよ店長は。けど、cleverness(クレバー)と捉えるのが正しい映(みえかた)だろうな」

「おいしいですよね」

「同意を求めるな」

「いいじゃないですか、減るもんでもなしに」

「私見が摩滅する」

「魔滅?だったら好都合ですよぉ」

「はぁ……そんで、何?あと十分少々で休憩が終わるんですけど」

「つまり」「、この事件は橋口さんが主導者であり、裏で糸を引いたいわゆる糸操者(fixer)、という帰結で異論ありません?」

「尋ねているのか、それは。それとも同意の強制か?」

「んにゃあ、そんなつもりは、えっほ、滅相もない。喉に詰まったミルクフランはご愛嬌で受け流してですね、どうにもなんだかすんなりまとめられた感が否めなくって、実にその、形なりに収まったというかですね……」

「お前の意見はわからないでもない」

「けど、なんです?」

「表情は穏やかに明るくニコニコと手を取り合い投げ打ち事情に励みはするけれど、縁が切れたら所詮は他人。それが条理さ」「ずれたお前の通理がわだかまりの大もと、 」

「違う、ような気がします。だって同情を、寄せてません。、まして戸籍をもたない子供にだって私、他人事でいられます」

「冷たいな」

「先輩だってそうじゃありませんか。真夜中の大推理公演(show)その翌日に起きた『PL』の話題を淡々と聞き流してしかもあっけなく仕込みを選んで打ち捨てた」

「短期間の荒稼ぎで十二分に集まる。収金は多大だよ」

「嘘ぉ!」

「声が大きい。そんで、口の中のもんを飛ばすな、はしたない」

「そうかぁ、思っても見なかった。新店舗のすべてが居抜き物件、この当然を今私、察しましたよ。倹約に努め出店間もない一二ヶ月を狙う、一見さんをあらかた捌きまして。不実露(scandal)を引起こし店を畳む」

「店長も同意してたな。すぐに閉店(しめ)る」

「卓見だと言いたいんですね、先輩は」

「理由は聞いてないよ。たぶん、あちらは長期でうちはこうと、ただ期間を比べて答えたのだろうね、方針を察したかは、どうかな」

「駅前へ流れる。日本さんが誘導をしていたのですかねぇ。character(キャラ)に逆らいますもん、やはり代役が出張ったか」

「裏切りに腹を立てた、騙された。だが、『PL』の店長である、明言は避けるんじゃないのか?振り返るだけ気が滅入る」

「、言われてみると、ふうん先輩の言うとおりかもです。店内を写しては規則に反するんです、通うお客も顔見たさに興味を持たずもぱらぱら怪しげな雨脚に傾く傘の所持になら、乗客は誘われますね。ははあん、感心感心」

「 ふう、食べた」「そろそろ行くけど、まだなんかあんのか、後輩?」

「このお店、お客さんが増えないという店長の断言は当たってます」

「だからどうだっていいたいのさ?時限(limit)だぞ」

「互いの領域をよく把握できたもんだと思えませんか?」

「外の提供はこれから町に馴染む、ここは染み付いてる。その違いだ、あくせくめまぐるしい縦横か、じっくりのろのろか」

「うちの店はどっちでしょうね。私たちは、どちらが向いてるんでしょう」

「だから風を見てる。だから昼食(lunch)を続ける。だから電話番号を隠す」

「 答えは己のうちにあり、ですね」

「怒った主(おのれ)は相手を指す。他人は所詮、あんたであって私だよ、おまえさん」

「『はい』か『いいえ』じゃあ不足ってことか。あいまいは大事にしないと、ですね」

「、狭めたら間が恋しい。広けりゃ暢気に構えるのさ」

 そっと店主が笑みを浮かべた、ちょうど受け取る代金が受け皿(tray)にぱちり、前の向かう後姿を見送った。牛鈴鐘(cow bell)は短く鳴いた。

「王室のとおい親戚なら、握るspoon(スプーン)と極東の一揃えは還してください。 持ち主へ戻どす話だったのかもなぁ」新聞紙とカップにソーサーが合わさる。呟きは、途絶えた。 

 

 通り雨を避けて一名を呼ぶ、対面の埋まる席へ足は向いた。飲み物を給し持ち場へ。

「あら、それを渡しに呼び出だしたのかしら?」

「丹念とひらめきは真相を手繰り寄せる」「仕事を与えるとでも?」

「ああ、おいしいわ。一言で通じる幸せがなによりね。お固い方々は昔ばかりでいけません。 与えるわ。在り続けるものよ、間段なく対処に追われた身に過去を思い出せましょうか?コーヒーが広がります、無味無臭の水を恋しくなって?」

「壇上の代わりが名を借りた代役であった」

「事故死は別の方が命を代わりました、お早いことです」

「、どちらです?」

「誰であれ当人を知れる者は当人のほかでは。まわりはけれど同一でありはしません、ご理解いただけたかしら?」

「 過労死を見てみぬふり、反骨を狙った」

「戦意は勝ち目を残した者の専売特許よ、利き手を残してあげた。耳にしました、このあたりまで、先があると詮索も終点はそこよと、どうよ、思い知って告げたの、一喜一憂を見られたわねぇ」

「、煙草を吸っても?」

「もちろん。禁煙車は卒業しましたので」「雨が上がる、用は済みました。ごきげんよう」 。クァンコラン。

「署か?いや、今日の非番は?」「それだけだ、他にか、休めるのは今のうちだ」 

 気恥ずかしさ、端末を当てる片手の合図、会釈と同等の意、お辞儀は大げさ、会釈は卑下、視界を侵すせめてもの礼儀、薄い上着よりはじく水の玉は一陣に掬われた。