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帰国便 機内 瑣末な出来事と現象~無料で読めるミステリー小説~

 

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 day 1 
先週かな?大変失礼な行動に出てしまった、お詫びします。
どうかしてしたんだよね。
思い出して青ざめたんだ。
図々しいだろうし、私を訴える権利があなたにはある。
もし許されるんだったら、そのぐらいの気持ち。
突っぱねてもいいだろうから。
まあ、あんたはそんな人に興味ないだろうしさ。
けど、もしっていう可能性がさ、あるんだったら、
言いにくいけど、そのさあ、あのことは黙っておいてほしい。


 day 2
ご機嫌取りじゃない、暇だし、やることないから演奏は観た。
当日券がどうにか手に入った、伝手はあるんだな、これが。
あんたがやりたいこと、ほんのちょっと分かったよ。
私にはまねのできないことしてる、思えただけも進歩じゃない?
一週間前の私と比べたらさっ。
わりかし、器用だって言われる、……聞いてないか。


 day 3
ギターの弦、あれを私が切れたと思う?疑ってるみたいだったから。
正直さ、現実的にみてギターに近づけたのあの二人が有力だって思うじゃんか。
おっと、言葉を慎むんだった。
あんたの拠点は業界じゃ名の知れた場所だしね、私も使ったことあるスタジオだ もん。
あと、一階の利用割り当てだっけ、名前書くのやめたら?
いつか狙われるぞ。
それと電車通勤は噂になってる。スタジオミュージシャンだって思われてる。
ああ、それが狙いか。納得、納得。


 day 4
イヤモニなしで音取れんだ。ギターのチューニングいつやった?機内の生々しい音そのままだった。
思い出したんでメモ書き。


 day 5
空港で渡せたら渡すつもりでこれ印刷してみた。会えないだろうが、物は試し、チャレンジ。
特別ルートだろうな、私が待ち構えてんだ、そりゃ避けるさ。
も一回約束頼もうかな、うん。
どうかあのことは内密に願います!