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ただただ呆然、つぎつぎ唖然  1

どうかご無事で、三人は連れ立って、幾分うつむき加減の首の傾きがなじんで、ミツキの元を離れていく。呼び止めようか、否、それでは、女が、私が廃る。覚悟を決める、頬を叩いた、金属がばいんと想像の反響を奏でる。
 私は人を探しているのよね、言い聞かせる。そうだと信じさせる、一種の力技。思い込みだって言われれば、おしまい。とはいえ、全否定はもっと無理。だって、私は女だから。
 突き動かす意地たちの適材適所の応援歌が沿道で声援と叱咤激励、それに温かい罵声を含んで、二で割って、リズムとかけて、私を足して、過去を引いて、あの人に出くわす。
 伝えるの、会えたら。
 戒律、守れないかもしれない。
 いいのよ、どうせ体はひとつで、一回で、誰の者でもなく、私をしのんで泣き叫ぶ人の所有物でもないのよ。
 両親のこと?
 さあ、生んでくれって、頼んだ覚えはないんだから、反論の機会だって与えられてもいいってことかな。
 思春期。
 これまで自由とは無縁よ、破壊や他人への中傷を平然と手にかけた連中は私に住まいを与えられはしない、飼いならしたの、えさを与えたんだ、散歩に連れ出しもした。遊んでもあげた。傷は内部で消化して、修復、破壊。
 手を握ってしまえるんだろうか、ドアノブと。
 あの人だと思いなさいよ。
 あれれ、主観が逆転してない?
 どちらが私であるのか、天地は左右の認識があるから。
 うん、葉っぱと枝が隠して、空は見えないもんね。茶色と緑と黒、少し水色。どれも地上に映えてる。
 行こうか。どこへ?決まってるじゃない、戻るの?行くの?同じでしょうよ、そうね、そうだよ。