コンテナガレージ

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白い封筒とカラフルな便箋

 このような文言をレーベル会社・プリテンスのホームページ上に、載せた。アイラは、レーベル会社兼事務所スタッフの引止めを振り切り、掲載を断行した。そうして引きも切らない打ち寄せる反論、批判が殺到したのだ。けれど、賛同、賞賛、期待の声も同数見受けられた。これはプリテンス側が難色を占めたハードルを見事に越えてみせたことを、意味する。彼らの経験的予測によれば、反論はひっくり返り、応援に変わることがままあるのだそうだ。ただ、アイラの思惑は、世間の反応を間近で、よりダイレクトに感じ取る空間を求めたに過ぎず、レーベルの反対にあったとしても、また別の手法で演奏を聴かせる会場をこっそり探しただろう。元々彼女は、異端の扱いをレーベルからは受ける。通常、歌手というのは、マネジメントを勤める所属事務所が当人に代わり契約や対外的活動の応対・連絡、事務処理等を担う。しかし、アイラは特殊で、レーベル会社・プリテンスとの契約に歌手活動のマネジメントを含むのだ。なぜなら、事務所主催のオーディションの副賞に掲げたレーベル契約及びアルバム作成権が、歌手活動のスタートだから。