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本心は朧、実態は青緑 5

『ふふ。歌う姿の彼女だけでは物足りなくなってしまったのです。以前は声だけで満足をして、にやつき、狂喜し、脱落、ときに欺瞞を抱いて、だけど獲得、温かさを掴んだ。そして、抑制。彼女から身を引いた数ヶ月で彼女の新鮮さが取り戻せるかもしれない、このたびの突然のライブ観戦の大本はこれにあるのです、出会った頃の私が出現するのか、または落ちたら戻れない欲に溺れる近視眼の私か。一種の賭け、失敗したらファンをやめる覚悟を持って参戦、観戦に挑みます。次の手紙で私が登場しなかったときには、はい、そういった事態であることを察してもらえますか?思い出して欲しい、そういった要求とは正反対、むしろ見限って泥をかけ、打ち捨てて欲しい。アイラと関わりを持つべき者たちへの文面上での再会は、それほど敷居が高い、と私は捉えています。

 最後になりましたが……、なりましたって、何が成ったのでしょうか、それとも生った、出来上がったという意味でしょうか、いやいや、為すの自動形だった、今までとは違った状態を意味するから正しいのか……うーん。まあまあ、細かいことは抜き。丁寧な言葉遣いを毛嫌いする私の根本が垣間見えたら、ご愛嬌、読み手の皆さんが思うとおりに受け流してください。では、この辺で私のつたない文章を〆たいと思います。つたないのなら、書くべきでない、はい、忌憚のない意見は次回に反映したいと存じます。それでは、ライブで。もしかすると隣り合うことがあろうかと思いますが、もし仮に私であると察しても、内に秘めて、喉の奥で引き留めることを心より願います。ああ、忘れていました、私、パラジウムが書き付けました、どうぞまたの機会に』