コンテナガレージ

サブスク・日常・小説の情報を発信

黄色は酸味、橙ときに甘味 3

 

 なになに?君の文章が気に食わない、肌に合わない、読んでいられない、さっさと要件を言えって、手厳しいじゃない。

 ふう。よく言われるのよ、話が長いってさ。自覚症状はこれでもあるんだから、まあ……威張って言うことでもないか。

 二枚目の紙に及ぶのは控えたいと思い始めて、ここらで本題に、やっと入りたいと思いますですでございます。

 前の二人の発言内容に対し、私は真っ向から対立を申し立てる。つまるところ、二人の意見は、この世界はアイラと羨望者が暮らす社会と言い切り、そして平穏に保たれる、とまあ、このような意見でした。一人はライブ観戦を良しとし、もう片方は対面は不要で不浄で不潔である、高貴な精神に基づいて、遠くから彼女の活動を見守るに留めると。ただ、私からすると後者だって生声を聞きたいに決まってる、人ごみがなんだって言うの、彼女の声が聞けるなら、登場や入場に並ぶ時間が逆に高揚感を掻き立てるのに。ええっと多分知ったかぶりで振舞っている、そんな私を見て、お高くとまってる、さらにひけらかした具合が抜群のバランスだと信じ込むのさ。でも、それでは、アイラから離れるばかりよ。私はね、思うの、彼女は世の中、世界中、彼女以外のこの世界に生きるものたちすべてに影響を与えてしまうの。これは純然たる、まごう事なき現象なの。そわそわ、むずむずして先を急いでもダメ、ここからはゆっくりたっぷりと残りの空白をびっちり文字で埋め尽くすって決めたの。語尾が余計だってぇ?尾ひれが後々生きてくることだってあるのよ、あなたはもしかすると年齢は私より高めかしら。高目って日によって歳が変動するみたいに聞こえる。わあわあ、道を逸れた、ごめんなさいっと、自らスペースを削って首を絞めては、いかんいかん。さてさて、さて果て、どこまで話したっけ、辿って、ああー、見つけましたよ、皆々様、アイラさんは全世界共通のいわば、無言のルールなの。いい?彼女の歌を聴くのも、歌詞に触れるも良し、映像を眺めてもいい、数少ない希少なテレビ出演、演奏の様子に見入ってしまうもアリね、一度彼女という人物を目に焼き付けたら、人は彼女を体に住まわせてしまうわ、正常と不快の両方を。離れようともがく両者は取り込んだアイラが仲を取り持つ、生じたバランスはかつてないほど、内燃機関の私たちに活力と希望を与えるの。外部記憶から発せられる振動であるのに、あたかもそれは室内、いいえ体内が震源であるようね。わかるかな、私の主張。どうかしら、短文よりも多少片隅に残る問いかけと言い分でしょう?秤の中心にまたがる彼女の両足が各自の体内でせっせと傾きを行ったりきたり。内側にいるのだから、会いに行く必要がないといえばそれまで。ただ、バランスを彼女がとってくれるのなら、ライブ観戦に足を運んでも許されるとは思うの。言い訳?判断は次回に任せる。ずるい?反論はけれど、あなたの番でね。それがルール。突然、おしまい、さらば、アディオス、サイチェン』