コンテナガレージ

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単一な黒、内面はカラフル 2

 もっとも二件目が一件目を補完し、その他がその二つを更に補ってしまった。既に打つ手なし、警察にも言ったことだ。そう、これ以上の詮索は不可能であり、無意味なのだ。警察たちの脳裏には連続殺人がびっしりとこびりついて離れないだろう。

 喉元を過ぎる液体がかすかに残留するけれど、苦味はいつか、忘れてしまって、味わいはかりそめのように、口に含む動作を見計らって味覚が演算をはじき出したのだろう。アイラはコーヒーのカップを傾けた。

 あっさり、丁寧に席を進行方向へ戻し、刑事たちは停車駅で降りた。

 何かあればと、名刺を不破に渡された。電話番号と名前、所属が書かれた白い紙。すぐに折りたたみ、降車駅で捨てるつもり。失礼ではないだろう、いつか捨てるのだ、早いか遅いかだけの違い、利害を求め合うのだろう、多くの人は。仕方ない、それを私には適用しないで欲しい、アイラはブラインドを閉めて、車窓を眺める無益な時間を睡眠に変えた。

 飾りつけた私への賛美は彼女たち自身を守る防具だった。

 私になったつもりでいた、近づきたくとも現実味の薄い理想。

 ステージ上で夢を見させる。現実に返し、次回のパスポートを新曲に込めて配布。

 旅、なのかもしれない。

 となると、私を見定め、所在の解明を目的に掲げる観客を減らすべき、今後求められる課題。