コンテナガレージ

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熊熊熊掌~ゆうゆうゆうしょう 5

別段他の出場者、私に負けた方々を腐してるのではまったくなく、取り組む姿勢が異なるのだ、という美弥都の解釈である。何しろ、コーヒーに携わる者は得てして豆を取り巻く諸事項を把握し漸く一人前、提供する資格を有する浅はかな信念を持つ、といわれる業界の傾向に少しばかり、彼女は反発心を顕に、まずは鋭敏な感覚を忘れ去った食事を断り愚鈍な舌を鍛えなおすべきでは、という忠告である。それが傲慢な女性性も身勝手に加味した態度と、一握りのお客の憤りをどうやら煽るらしく、ときにカウンターの天板の揺れとカップ、ソーサー、スプーンの金属音が勤め先では聞かれていた。女性性に限らなくとも年齢や容姿、要するにあらゆる自らとの比較を引き出してやまない人種なのだから、取り合っていたらこちらが疲弊をしてしまう。店長は物分りがよく美弥都をいつも擁護する、ほかの店ではとっくに責任を取らされ店を追い出されてる。喧嘩両成敗とは騒動のあらましを正確に読み取る本来誰にも機能の退化である、私は一人選ぶ、選ばざるを得ない、辛うじて店長の助けは借りるも、安穏と永遠など夢見てはいないし、明日に首を切られたとしても私はあっさり次の居場所に目を振り返ることがあったら、久しぶりに驚いてあるいは口角を引き上げるだろう。