コンテナガレージ

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店長はアイス 恐怖の源6-2

お題「手帳」

 相田は座るよう股代に促され、腰を下ろすと訪問の目的を切り出した。
「0署の相田です。突然ですが、紀藤香澄さんはこちらで勤務されていましたか?」
「ええ、彼女は死んだって聞きましたが」新聞あるいはテレビか、いいや最近ではネットの情報が断然早い。
「はい」
「どうしてまた、彼女が?警察の方が来られるのはやっぱり事件か何かに巻き込まれたのでしょうか?」
「一概に事件とは言えません。まだ捜査中なので。彼女は昨日もこちらで仕事を?」相田は手帳を開いて話を聞く。
「終わりまでですから午後八時まで。帰ったのは午後九時前ですね。私の前に店を出ました」股代は目をぎゅっとつぶる。癖のようだ。緊張すると発現するらしい。
「ご結婚の予定が彼女にありましたか?」
「へっ?結婚ですか。紀藤さんがですか?」
「はい」
「いいえ、まったく。いや、その彼女は結婚とかそういった概念に囚われないタイプだと思いまして」
「と、いうと?」相田は驚きを見せた股代に注目する。
「結婚に関心がないような素振りでした。去年、結婚したほかの社員の式も、参加したのは一次会だけで二次会には、呼んだんですけど、お酒も飲まないのに高い会費を払いたくないって帰っちゃいましたから」