コンテナガレージ

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店長はアイス  過剰反応4-2

「仕事ですから、仕方ありませんよ」

「あの、林道さんの今週の休みはもう終わっていてね、……その言いにくいんだけど、来週まで紀藤さんに休んでもらうわけにはいかなくて。申し訳ない」エプロン姿の店長は短くなった夏使用の頭を下げた。彼の奥さんは美容師だったはず、奥さんに切ってもらったんだろうか、と紀藤香澄は思う。

「消化できなかった休暇は使えますよね、いつでも?」彼女は起き上がった店長の顔にきいた。

「連休で休まれるとちょっと困るな」

「来週に休むとは言っていません。夏休みとかにその代返が使えるのならと、思ったんです。ダメですか?」

「いや、それなら問題ないよ。一人より多く出でいるんだ、文句は言わせない。海外みたいな長期休暇、日本でも導入してくれないかな。一週間でも多いって会社には目くじらを立てられる」股代は顔の両端に人差し指を立てた。怒りのポーズだ。

「そうですね」腕時計で時間を確かめる仕草で間接的に相手に会話を切り上げさせた。ロッカーで着替えて仕事に着手する。

 それからとうもの、私は店長が私の事をどう思っているのかが気になり、一日中小振りな頭の中をぐるぐる同じ質問が繰り返し、答えを求めてきた。別れた。しかし、同じ職場で顔をあわせ、話も弾む。でも、いつかの関係をはっきりと線を引いてしまう店長の態度である。ほかの同僚には引いていないその線引き、いいやむしろ、線を消して呼び込もうとさえしているように感じる。気のせい、思い込みなんだろうか。客観的な判断を求める友人を私は持たない。それは胸を張って友人とはいえないから。すべてを打ち明けてもアドバイスは相手の志向性。だったら、私の考えをつきつめて信じるべき。

 翌日、風邪を引いた林道が同情を同僚たちから買うためにマスクをはめて出勤した。感染すといけない。彼女は一躍時の人、私は常に縁の下の力持ち。支え続けて何年だろう。迷惑をおかけしました、休んだ林道は私に謝った。私が思うように相手を思う、これが私である。騙されない。

 その週は週末に全国各地の埋もれた工芸品や食べ物、銘酒などを取り揃えたフェアの開催に週の後半は通常営業後も倉庫に残り、運び入れた商品のレイアウトを議論しつつ、日が変わる時間を越えた頃にようやく家路に着く数日を送るも、蓄積する疲労に私は堪えた。日曜の午後、夕方はお客の引きが早かったので、店長は私に先に仕事を終えるように言った。あと片付けとお客の対応は私が抜けても可能らしい。しかし、これを休みと捉えてよいのだろうか、私は迷う。私の中では朝からもっと言えば前の日、仕事を終えた時から休みがスタートするのだ。店長の申し出は中途半端であり、これを一日の休みと考えるのはあまりにも酷い、そう感じた。それに月曜は私の休みではない。

「あの、これは今週分の休みですか?」思い切って私は店長にきいてみた。わからないことは、尋ねてみるべき。