コンテナガレージ

仕事(フリーライター)、日常、小説、その他諸々

店長はアイス  死体は痛い?10-1

「後発部隊、到着。これより地下から捜索を開始」

「了解。相手は武器所持の可能性あり、武器所持の可能性あり」

「了解」

 動き出すまえに車両を降りた。改札近くのコインロッカーへケースを押し込む。もう手にすることもない。回収は別の人間の役目。トイレ、個室に入る。着衣を一旦全部脱ぎ、裏を表を返す。下はジーンズ、上は長袖のシャツといったいでたちにはや代わり。ベルトの違和感はTシャツでごまかす。しかし、なぜまた危険地帯に舞い戻ってきたのか。自分でも納得の行く理由、説明は思いつかない。最後まで見届けたいのか。

 地上に出てタクシーを拾う。進行方向へのタクシーに乗るため、横断歩道を渡り、降りたばかり停車中のタクシーの飛び乗った。

「真っ直ぐ行って下さい」振り向く運転手は事情を聞くことなく、車を走らせた。目的地らしき場所が交通整理の交差点の先に見えてきた。通過して次のブッロクで車を止めるように運転手に言う。タクシーを降り、立体駐車場をあらためて眺める。観光客を装い、カメラを構えて歩く。ミラーレスの軽量なカメラにネックストラップを装着。これで、周囲に忙しく目線を配れば怪しまれても観光客のフレームを作り出せる。無線機は一応、もう一つの予備がこのカメラである。微かな会話音をファインダーを覗くふりをして聞いた。