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重着り 3  661

 館山リルカが語る内容は以下のとおりである。

「お暑いでしょうに。気にせずとはい、ほれっ、あんたもったく先に入ってでにゃきゃ、ですものねえ」母親はまだ畑か、直売所に補充に行ったか、出迎えたものは父親である。もんぺに細かな桃色の作業着と日差しを守るようやく脱いだ長くつばの広い帽子を取れば、見間違うはずもなく。 

 大変重宝しお客にふるまえた、私宛に送るじゃが芋も断り急きょ利用させてもらった、挨拶もせずこれまでの放置を店長は詫びた。

 なぜ君が頬を赤らめるのか、目も当てられず、館山は挨拶はそのあたりでと二人をまずは席に着かせた。婚約者を敷居をまたぐ次の機会は、君が有無を言わさず決まりを準する私もわたし、彼女は長引き結婚を台所で飲み物をつぐ親へ「夕方の営業が待つの」言ってやるつもり。

 どこぞで買い求めた、水菓子は包む餡子が宝石のよう小箱をあけたなか踊る。

「結婚式は海外かしら」含んだ麦茶が気管と鼻腔へ流れた。むせて咳。「お恥ずかしながら生まれてこの方北海道を出たためしがね」中学は青森へのフェーリを前にエンジントラブル、旅行会社が出発前日に倒産、高校は近場といってもS市を一週間満喫、不満があって?まったく初対面ほど饒舌だから家はいつもだ、誰かかしら農作業を終えてここにつかまっていた。館山は煙草に火をつけた。

 調理人ともあろうものが、と父親の誤った見識を、「私も煙草は吸います」現金に、いやいや、それよりも結婚だ。

「店長に失礼だ」自らは好き放題おもむくまま、鈍感だらかこそなのだけれど。

「あらいやだ、私てっきり」早くいってよ、隙間を埋めた君がいけないのだ、非礼と錯誤が身に染みたか、父親はいくらか時の流れを合わせた。

 一口で平らげる。もっと、お腹は空く、食事を出しても、謝罪と手土産に手料理を望みますか、父親は農作業の合間の短時間に昼の休憩を取る、しかも母親は今も外で作業か農作物を売りにハンドルを握る、出されたものを食べ辞する用意を整えるのだよ。

 仕事ぶり、生活態度、言葉遣い、お客に好かれる、絶え間のない質問に店長はありのまますら々と話す。不愛想に同意を店長は、ここぞとばかり共通点が、この人は共感を楯に自己を知らしめたい。頭が痛い、母親が席を外す訳を同席はいたたまれずやむに已まれずだったのか、お客に立って、見方の変わる。

「土を分けてはいただけませんか?」肘をついた私を指さす父親は眉のあげる。

「家庭菜園をなさるなら段ボールが、うん。じゃが芋三㌔に入れてベランダに置けますでしょう。プランターはいらない々」階段の手すりに立てかけた梱包用を一枚持って、「紙ですから、空気は通りますの。余分な水分は紙がキャーッチ。あー底にすのこは敷きましょう、倉庫を見てきますわ」扉を引いた玄関doorへ、おかあさんと人遣いの荒く声と足音と姿を消した。

「すいません」

「約束は知らなかった僕が悪い」

「、この後はどちらへ」

「土だけでは芽は出ない」