コンテナガレージ

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3 ~小説は大人の読み物です~

 

 

「もう一例、機内で巻き起こった事態をどの程度まであなた方が記事にするのか、度合いによっては私を通過し、警察の規制も掻い潜れるでしょう、即時出版にこぎつけられる。もっともそれは、数ヶ月後かもしれない。速射性に走ると内容は薄く、販売数や客層の拡大は望めない。しかしかといって、緻密な配慮を施しつつ微かにでも触れてしまうと、私を筆頭に警察による出版の足止めを食らうでしょう。もう時間が迫ってます、私は次の仕事先に行かなくてはなりません、時間はやはり貴重です。ここから駆け足で進めます、問いかけは無視するものとして耳を、傾けてください。搭乗から会見までがすべて出来事に含まれる、と私は迷いなく問えた。よって、無関係と思われる退屈な、私に関わる周辺諸事項、音楽家の一面、日常についても公開をします。再度、言及しておきますが、私のチェックを通過したのちの出版物ですので、私がどのような人間性であるか前もって身に落とし労働にいそしむことが、時間の有効利用といえる。はい、五分が経ちましたので、残りの五分ずつをそうですね、事前、事後に分けて話します。やっとここで本題に取り掛かかれる。では、そのまえにまコーヒーを一口いただきます。機内のコーヒーはひどく薄く感じました、気圧の関係で味覚にも影響が出るのでしょうか、決して航空会社の職員たちはコーヒーを啜る乗客に対して鈍った感覚であると、口にしませんね。ええ、等価交換ではなく紙幣を介した取引、私たちは利益をもたらす対象なのです。本当に前置きはこの程度に、搭乗当日四月の第二週土曜日に遡ってみましょう」