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追い詰める証拠がもたらす確証の低下と真犯人の浮上 6

「不可変な資本はなるべく少量に収め投入をしたい、利潤率の高まりを期待できるから。まっとうな理由です。生産費用に対する利潤の割合は可変的な資本が一定であると見なした場合、利益の値を低めるのは不可変な資本の量。キクラさんが主張をする工場での生産品はまさにその最たる例、大規模な機械設備の減価償却及び維持費は膨大で甚大な資本の継続稼動に必須です、私たちの生産品のいついかなる時期にも応じられるべく、それは常に価格に付与されてしまいます。そうであると薬師丸さんが言われるデータ音源が取るべき私たちの選択のように思われますが、一筋縄ではいかない、問屋が卸さない、世界は複雑怪奇で不確かな関わりをこちらの意思を問わずして干渉に及びます。つまり、あなたの変更には不備が生じているのです。価格とは観測された周期を目安に市場内を行きつ戻りつ、流動的に姿を変える。あちらを立てると、こちらが立たず。重複になってしまいますが、背に腹は変えられない、理解に近づけることが肝要だ、と判断をした、大目に見てください。続けます。市場の価格を持つ同属商品との兼ね合いによって、私の作り出す曲の価格が決まる。この世の中で貨幣の使用に応じた製品がたった一つである時、その価格は自由に生産者、私の独断が適用され、決まる。ところが、現実は不要な商品がひしめく、まさに群雄割拠。押し合い、へし合い、価格競争の疲弊による消滅、生き残りと転換期に向えた価値の増加を体験しつつ価格低下の未来に恐れおののく。相互関係は切っても切れない世界なのだ、とまざまざ見せ付けます。そう、商品を市場へ投入したら過干渉を受けてしまう、私の曲は当然波に飲まれる。しかしです、データ音源の価格については非常に似通った表情を見せ付けることに誰も口しませんが、消費者の意見をを代弁すると、固定的な価格にとどまってやしなか。切のよい数字、市場では稀ですね、一円、表に出ない銭の値で低価格路線を歩む商品はしのぎを削る。なぜ、このような事態が引き起こるのか、ええ、ふれあいが少ないのです。相互依存、接触回数の頻度が極端にその他の商品とは比べようもなく低い。ゆえに、価格の増減に関しては流動的な立場に身をおく身分ながら、気配を殺して姿をくらますのです。そうです、おっしゃるように、私の意見が正しい、と判断をされたなら、薬師丸さんの側にこの争点の着地を見てよいでしょう。……だが、生産品と形のないデータとでは所有価値に大きな開きが現在でも存在するのあなた方の自室を見渡し思い出せばおのずと回答は得られる。コレクションとしての楽しみや過飾、という購買意欲を駆り立てる追加の購入、これらが最大の恩恵、次回作を待ち望むその期待を各自の身近な生活居住空間で膨らませてくれる。いわば、広告です。あなた方が躍起になり取り組む不特定多数へ向けたあいまいな費用対効果の計算式を妄信してやまない誤りに頼らない方法論、これがかさばり部屋を占領するCDという生産品の価値です」