コンテナガレージ

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仕事(フリーライター)、日常、小説、その他諸々

追い詰める証拠がもたらす確証の低下と真犯人の浮上 6

考察にあてがう豊富な時を与える。
 喫煙所で独り彼女は分泌物、消化液、水分と多用な名称を持つタバコにやっと火をつけた。上着を脱いだ社員と空間を共有した、「単独」という意味の独りである。
 喉が渇いた。慣れないことは体が反復を許すまで異常なのかも、歌ならいつまでも歌える。
 恐ろしいほどの眼下、横長の長方形は想像力の欠如が生存を許す、宇宙空間との常態化を試しているのかも。空では落下については考えもしなかった。地上と繋がっている建物内、がその理由だろうか、どちらも突き落とされては死んでしまうことに変わりないはずだった。私の思い過ごしは無理から決め付けた。際限のない考えは危険だ、休息にそして細胞の死滅に手を貸している最中なんだから、このときばかりは遠目から私を眺めて。
 煙は一向に立ち上らなかった。役立たずの一本は乾燥を願って別の一本に唇との接触を取替えっこ。
 人が見ていた。
 誰?顔が目が手が足が耳がネクタイのどれもが口よりも達者、言葉を覚えたての幼児の、それも少女のようにあれこれと思いついた言い分をこちらにぶつけてくる。すべてに口がつき、口が取り付く顎の上と鼻の下の二枚の、それと空洞のピンクの板がぴしゃりと立ち入り禁止の札はマスクによるせき止めを食らう。
 雲には近づけたけれど、気がかりの地上がこまごまとした粒で手を振る。
 火をつけた。死を願った。そうすれば底へ行ける気がした。