コンテナガレージ

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仕事(フリーライター)、日常、小説、その他諸々

黄色は酸味、橙ときに甘味 7

 物販係りに任命された事務所のスタッフ楠井と向日が商品を片付けた。テーブルが会場に忘れ去られたみたいに、ひっそりと役目を終えて満足げだった。どことなく、誇らしくもアイラには映った。テーブルはステージの設備スタッフが折りたたむ、長い天板は軽々と一人の作業員が運び去る、縦に並ぶもう一枚も次の作業員が脇に抱えて、屋外へ。椅子はいの一番に屋外のトラックに詰められていた。

 隣接する建物側に背を向けて、ステージがあった場所を眺める。私のためにストーブが一台、電気着火式の持ち運び用が足元を温める。腰から上はほぼ外気温といっていい。室内に通じるドアは開放されている。カワニは室内の中央付近、私がライブで演奏した客席中央のサークル内で観客の足元を温めたペルシャ絨毯風のカーペットを丸め、届いた際の包装、半透明にビニール袋を再び被せて、応援の事務所スタッフと長さを測り始めた。アイラが思うに、カワニはカーペットを一度東京に戻る楠井と向日に持たせるつもりか、事務所に郵便物としての配送かを検討してるのだろう。決め手は確実に費用が安い方だ。機内に持ち込めるとは思えない、長さかが抵触してしまう。

 外に出るなら、そのままバンに乗り込んでくれとのカワニの説明にアイラは従った。目ざとく私の動きを見ていたようだ。