天井をアイラは見上げた。いつもの癖だ。こうして、何の気なしの行動を首が司る。疲労の証、サイン、記し、予兆、アラーム、警告、予鈴、掛け声、カウント、明滅。
煙が立ち昇った。
三週間のライブを振り返る、わざとらしく合間に死体の映像が割り込む、目を閉じた、それでも追従。
まったく、どうかしてる。
私の足跡で死にたかった、あるいは殺したかった。どちらも自らに私を見出してはいるが、外部にそれを示そうとしてる時点で内部完結という、私が求めた理想の体現とはずれが生じてる。平行だったレールは間を広げてずんずん車両の速度は増すばかりに、ブレーキは取り外してあって、速度の高まりに身を任せるのみ。レールが切れていたのかもしれない、私が止まっていて、彼らが先行だったのかもしれないな。
後ろが消えて、前との概念を消失。
左右の腕を取り外す、一つに。
上下は左右がなくなって、意味を剥脱された。
重力の存在をもとに、空へあこがれる。彼らに空は備わっていない、それを私は内部を広げて見せ付ける。
ガラス張りの喫煙室から入り口に集まる大勢を見止めた。
騒がしさに巻き込まれないよう、私はそっと気配を消した