コンテナガレージ

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鹿追う者は珈琲を見ず 5-5

 伸ばしかけた曲がるひじの角度、鈴木の右手が残像、視界の残ってすぐに泡となり室内に切り替わる。和室。フラットな足元、布団にわずかに傾いた寝床の低い、短足のベッドを天井から垂れた青いすだれの奥にうっすら見止める。ちゃぶ台に着く。早々見切りをつけた、年齢が進んだからといって和室と低いテーブルを欲しがる想像などあってはならない、私は過去を覚えていられる。シャワーを浴びた。景色には大して興味を持たず水分を含む髪を枕にまかせた。
 翌日思わぬ来訪者が『ひかりやかた』に彼女の前に突如、思いがけず姿を見せた。操作、の二文字がよぎった。揺さぶりだろう、美弥都はロジカルに出来事を受け止めることで感情を制する。小さかった背丈は腰の辺りを越えて、声までが誰かに似ていた。