コンテナガレージ

仕事(フリーライター)、日常、小説、その他諸々

蓬 麻中ニ生ジヨウト助ケナケレバ曲ガリクネル 自ズトハ偽リ 1-1

 林野が車窓を流れる、田んぼを横断、上下に視界はゆれる。高台を下り降りトンネルを目指した。喫煙の許可を願った、一本だけ。窓を引き開ける、せっせと窓を取っ手を回して風を呼び込む。一面びっしりに張り付く雲と髪を撫で回す強風たちは屋外の支配者に躍り出ていた。焦燥を煽る、気分を逆なで誤答を導く秋めいた空が次に迎える山に開いた黒い穴ぽこまでに待ち構え多分見させられたんだ。日井田美弥都は真っ暗とは言い切れない明るさに場違いな赤々灯る煙草の火を見つめていた。先々週の土曜から二週間後、美弥都は鈴木が運転する車両の後部座席に無理やり押し込まれる形で席を宛がわれた、彼女は電車で帰る予定だったのである。フロントで呼んでもらったタクシーに申し訳ないことをした。運良く宿泊客が利用を申し出たので初乗りの料金分をただで手渡すことは回避された、無論私は何一つ誤った行動には出てはいない。
 太ももを圧迫する紙の束、目的のページを美弥都は開く。先ほどから鈴木が内容を知りたがり、時々不用意に後方を振り向くものだからしぶしぶ内容を掻い摘んで話してやろう、お分かりのようにこれは平穏のためだ、送迎に対する礼ではない。
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