コンテナガレージ

仕事(フリーライター)、日常、小説、その他諸々

蓬 麻中ニ生ジヨウト助ケナケレバ曲ガリクネル 自ズトハ偽リ 4-3

 私がミルクティーを提供したのち煙草に火をつけたことは三人の男たちは席をはずしていたのだ、もちろんあずかり知らぬ。これは私と少女との二人だけの記憶。
 許可を取ったから、これで満足いただけるものと思います。
 美弥都は二週間ぶりに勤め先のドアをくぐった。ついてくるかと思われた鈴木は、気を利かせのっそり車道に復帰した。風景をなじませる、景色がいつもどおりの表情、私が単に見落としていただけだ。どこが鮮明な記憶を有するだ、彼女は足元にすりつくトラ柄の飼い猫に生ぬるくほのかに生き物を感じさせる少女の寝息を連想し、行きと変わらぬ荷物カバンを肩に掛けなおして、入り口をまたいだ。そういえば、と店長の飛び上がる出迎えを往なして、思う。この店はあの部屋と同じ石で造られていた。ただ、中には陽気な店長と常連客が数人そっけない私を丁重に扱う。もしも……、いや、美弥都は戦利品として譲り受けたコスタリカ産の希少種とエルサドバドルの人工交配種を味が落ちないうちに惜しげもなく振舞った。エプロンを掛けて抽出に取り掛かる、服は仕事着を普段から着る。私だと分かる、動かなければ、正面に立てば、同じ服装であれば。