コンテナガレージ

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エピローグ 1-2

「手付かずの石柱は、ありましたね?」
「ええ、はい。どーんと二M近くのが一点。これから取り掛かるつもりだったんでしょう。大まかなあてというんでしょうか、線が書き込まれました。石材の価格は業者に引取りをお願いする料金とつりあうかどうか、それなら彫刻を売り払う時にまとめて引き取ってもらうか、そうそう大家さんは悩んでました。まあ、結構有名な人ですし、今後手に入らない未完成品と完成品、それにこれから作るはずだった石、なーんて売り出せば、急がなくても数年、数十年後に掘り起こされた再評価によって高値では売れますかね、はい」
「あなたが刑事である理由と日井田さんが手を貸すわけが少しわかった気がします。なるほど、その手は考えても見ませんでした、ふんふん」
「ええっと、一体全体何を言われているのか、僕にはさっぱりで」パチン、こぶしに手のひらが当たる。「係員たち三人は互いに親しい、個人的な関係を結んでいたとは思えませんかね?」
「同姓同士の恋愛を含める、時代を経て今となっては許容範囲に収まる認識ですから、想像は頭ごなしの否定を避けられてますかね。表ざた、公を諦めていたのでしょうね、得られずじまいの理解は目に見えて明らか、それが血縁者となれば尚更、おおぴらな発言は控える」

「ではお互いが、その家族であることを彼らはわかっていた、それでも仕事を続けた……。親近感が姿を好意に変えてしまった」
「十代の少女みたいな発想だ」
「ははっ、いや、よく言われます。なよなよするな、と。姉たちがひどく活発だった影響なんです、これ」
「旧土人の追加調査を考えているなら、手を引いてください」
「何か不都合でも?」
「回りまわって僕のところに飛び火しないとも、ね。くすぶるもえさしは火種を超え灰皿を出ようものならと、そちらにかかりっきり、両手は常に開けておきたいので」煙が吐かれる。食べられる山菜だ、渦を巻くの、青白いのが。