コンテナガレージ

サブスク・日常・小説の情報を発信

店長はアイス  過剰反応8-2

「ええっー!やっぱり、でもどうしてこの人が死んでいるんです?殺された?いやいや、だって……、でもそうか、第一発見者だから殺害現場を見たって犯人に思われていたのかも」
「勝手に殺人だって決め付けるなって言ったろう。鈍器で殴られただけだ。そういう仕掛けがあってもおかしくはない」
「殺すための仕掛けですか?」
「現場での殺害とはいえないだろう。他でそういう仕掛けを施し、共犯者が死体をベンチに運んだのかもしれない」
「それって自殺を手伝ったってことですよね。だったら自殺でよかったんじゃあないんですか、死んだらもう誰にも説明も弁解もできませんよ」
「誰かに殺されたと思わせたいのなら、説明は通るだろう?」
「死を選んでもなお他殺を疑わせたいのは、誰かにその自分を殺害した罪を擦り付けたい、これしか浮かびません。ああう、ああ。こんなに暑いんじゃあ、頭が溶けちゃいそうですよ」北国しては高すぎる30℃の大台に乗って板、まだ気温は上がるらしい。
「それよりも、大嶋八郎には聞きそびれた本の謎があったのに。これでまたふりだしだ」
「大嶋に聞きたい事って、本が現場に落ちていたかどうかですよね?でもそれって大嶋が肯定してしまうと延々と彼の言い分だけが事実として扱われます。だって、本がないとは証明できませんから」
「死んだのはそのためかもしれない」顎をさすって相田が言う。
「へっ、どういう意味です?」素っ頓狂な鈴木の声。予期しない発言だったのだろう。
「自分で考えろよ」
「熊田さんにも言われましたよ、それ。二人は似てますね、体型を除けば」鈴木は笑いをこらえる。
「お前、……歩いて帰れよ」
「何でですかあ、相田さんが車を出すって張り切ったのにぃ」