コンテナガレージ

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店長はアイス  過剰反応8-6

「ちょっとみんな、刑事さんの話きいてもらえるかな?」しゃがんだ生徒たちはぐったりと覇気がない。
「おじさんでしょう」子供の何気ない発言だ、取り合うなとすずきは言い聞かせる。
「ベンチに寝ていた人を最初に見たのは誰かな?」
「死んでたんだよ」男の子が言う。
「君が見たの?」
「ううん、さっちゃんだよ」
「さっちゃん?」
「ピンクの帽子を被ってるでしょう」鈴木は教えられた生徒に近寄る。
「君がベンチの人を最初に見つけたのかな?」
「……」上目遣いで覗くだけで、言葉が返ってこない。隣の子が代わりにしゃべる。
「あのね、さっちゃんね、見たの。だらんと、腕が下がってるから、おかしいって私に言ったんだけど、寝ているだけだよって私言ったの。でもね、さっちゃん、絶対に変だって言うから私と、みかちゃんと一緒にね、見に行ったの」女の子はそこで息を吸って。「それでね、目がパッチリ開いているのに舌がべろんって出てた。それでね、それで先生を呼んだの」
「そうかありがとう」
「ねえ、お兄さんって刑事さん?」早口なその娘が立ち上がる鈴木にきく。
「そうだよ」
「あんまり強そうにはみえない」
「そうかな、君よりは強いけどね」
「あたりまえだよ」
「鈴木ぃ」
「はあい、今行きますって」
「あの、もしなにか生徒さんでも先生でもよろしいので、気づいたことがありましたらこちらに連絡してください」鈴木は淡い期待を込めて名刺を渡す。
「はい、わかりました」
「失礼します」
「こちらこそ」