コンテナガレージ

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仕事(フリーライター)、日常、小説、その他諸々

店長はアイス  死体は痛い?1-1

 強大な悩み事に真摯に取り合うのは愚者の行いである。それぐらい、私の頭で理解できるのに、くどくどと作者は語る。最初、読み始めの感想である。読み進めるうちに、作者の文体にもなれてすらすらとはまでいかなくても、だいぶ本来のスピードで読めた。本を読むきっかけは、あの人が言った何気ない一言を耳にした翌日に、既に私にとっては異常なほどの迅速さで平積みの文庫本を買いに走ったのだった。一晩では一冊目も読めるはずがなく、それでも翌日は本屋で買った赤い格子柄のカバーで休憩時間、コンビ二で卵サンドと野菜ジュースをすぐさま買って倉庫に戻り何食わぬ顔で読書好きをアピールする。こんな日々を数ヶ月続けて、いよいよそのときが訪れた。待ちに待った歓喜、乱舞の瞬間である。その言葉を聞いただけで、全身が感電したように肌がそばだつ。本のタイトルを聞かれたのだ。わかっている、読書家は本で人を試すんだ、私はそのためにだけ本を読み始めた。内容はいつも忘れないように手帳に毎日寝る前に書き記して忘れないための準備に抜かりはない。この本を読み終えるのに二週間も費やしたのは、日ごろの読書量、いいや、これまでの経験のなさが多大な影響?足を引っ張っていたのだ。けれど、読めた。最後、ラストには泣いている私がいた。読破の達成感と主人公への感情移入が相まって、二つの渦が合わさり巨大な竜巻に成長し、空高く際限なく、無秩序に何から何まで舞い上げてたんだろう。映画を見てもさっぱり内容が頭に入ってこない私だから、うん今回はでもそれでも物語りはたどたどしいけど、言える、話せる、説明ができるさ。このときはまだ、私は何も知らなかった。相手のこともそして私の秘めた見てみないふりで押し込めてきた貪欲で後ろ向きでそれでいて狡猾で最前列を望む私を。