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がちがち、バラバラ 3-4

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 私が倒れている、口をカエルみたいに開けてだ。誰かが私を見ている視点だ。ビルの外からか?ノイズが走る。こちらも劣化した映像。少女が出てきた。私は倒れたまま。少女の口が動いている、音は聞こえない。オペラみたいな聴衆を魅了す振る舞い、両手の躍動と訴えかける足取り。視点が動かない、彼女が視覚を外れていく。切れた。映像が右隅に倒れた私を映している。映像の真正面、画面いっぱいに少女が飛び込んだ。驚愕、かすかに体が痙攣。笑っている今度は間違いなく、少女はにんまりと微笑んでくるりと一回転、構えた銃で真っ赤に染まった。映像がダウン。失われた刺激が眠気を呼び覚ます、私は瞼を開く力もそがれ、映像のように眠りについた。