コンテナガレージ

仕事(フリーライター)、日常、小説、その他諸々

がちがち、バラバラ 5-18

「店の裏手は頻繁に行き来する場所ではないと思われますが、いかがでしょうか?」

 店主が話す。「ほとんど行きません。ゴミは店内で補完しています」

「被害者の顔に見覚えは?」従業員は皆首を横に振る。店主は種田に見つめられてから否定した。

「所持品のチェックを行ってもよろしいですか?」

「どうぞ」

 種田の捜索では銃は見つからなかった。それから種田は一旦席をはずして、戻ってきた。入り口に制服の警官が立っている。どうやら店内に拳銃を隠した可能性も視野に入れた考えらしい。だが、裏手に続く導線はこの店の側と、もう一方の通りからでも出入りは可能であって、しかも犯行を隠すために一目に付かない場所で引き金を引いたのならば、僕を含めた従業員には当てはまらない。あまりにも犯行現場と職場が近すぎる。さらに言えば、警察の存在を近場で感じつつの犯行は大胆極まりない。裏をかいたとしても、聴取を切り抜けるあらかじめの用意がその場合には必要である。しかしだ、僕たちは犯行をただ否定した、アリバイの周到な準備なしに。また、計画的犯行ならば、売り上げのために目につかない犯行場所を選ぶだろう。それに少女の年代とのかかわりも持たなくてはならない。従業員たちの家族構成はまったく知らない。知ろうとも思わないが。

 刑事たちはカウンターで小声で話している。ふっと、緊張が解ける。国見もようやく落ち着きを戻したようで、グラスの水を傾けていた。

「こちらのお店、申し訳ありませんが今日いっぱい営業を控えてくれませんか?」熊田は淡々と話す。

「明日は?」

「……現状では今日までに大方の証拠品の採取は行う予定ではありますが、なんといいますか、あくまでも予定でして、はっきりとその、明日からの営業は認められません」

「そうですか。では、店の壁に寄りかかって倒れたいたという事実は伏せていただきたい。裏手はどちらの土地でもある境界またぎの場所です。せいかくには」