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矢井田瞳のニューアルバム「Sharing」のレビュー!

ヤイコこと矢井田瞳は2020年10月14日に発売された11枚目のアルバム「Sharing」を発売しました。

収録曲にはアルバム前に発表していた「いつまでも続くブルー」と「ネオンの朝」に加えて、産経新聞が主導するプロジェクトの一環で作製された「あなたのSTORY」が含まれています。

デビューから20周年を迎えた矢井田瞳。彼女の心情を正直に反映させたアルバムを3週間ほど聴いた感想は以下の通りです。矢井田瞳のニューアルバム「Sharing」を手に取る際の後押しになればと思い、個人の意見を書きました。

ちなみに、私が購入したアルバムはDVDがつかない通常版です。

Sharing

Sharing

  • アーティスト:矢井田瞳
  • 発売日: 2020/10/14
  • メディア: CD

レビュー① いつまでも続くブルー(Yaiko Band ver.)

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矢井田瞳のニューアルバム「Sharing」の1曲目は、いつまでも続くブルー(Yaiko Band ver.)です。ミニアルバム「Beginning」に収録された曲をバンドバージョンにアレンジした曲で、温かさ・力強さが増幅されています。

ミニアルバムの曲で感じた爽やかさを残しつつ、前へと向かう意気込み・決意が加えられたように感じました。長い物に撒かれ、迷い、その場に立ち止まっていた自分の背中を、やさしい力で押してくれます。

現実と思い描いている理想のギャップを認めなさい。いつでも真横ばかりを気にしなさんな。大丈夫。あるがまま、思うように生きなさい。つくり上げたこれまでを捨てるのは辛いけれど、変わると決めたんだから、殻を脱ぎてて。そんな風に語りかけ、新たな一歩を促してくれる曲です。

レビュー② あなたのSTORY

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矢井田瞳のニューアルバム「Sharing」の2曲目は、「あなたのSTORY」です。新型コロナの感染拡大で様変わりする日常の中、日々感染防止・治療などに従事する人たちへの応援歌として作製されました。

感染を最前線で食い止めている人は休みなく働き、気力・体力も不足しているだろう。辛いとは口に出せないから、自分のなかにため込んでいるはず。けれど手を止めないで、もう少しで落ち着くから、踏ん張れ。そうすれば、これまでの苦労が報われるから。

面と向かって頑張れとはいえないけれど、遠くから祈っている。だから、突然目の前に突き付けられた現実に目を背けてはいけない。一歩でも前に進めば、振り返った時に無駄じゃなかったと感じられるはずだから。「あなたのSTORY」はそんな気持ちを込めた一曲だと解釈しました。

あなたのSTORY

あなたのSTORY

レビュー③  It’s too late? ~高高-takataka-カバー曲~

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矢井田瞳のニューアルバム「Sharing」の3曲目は、「It’s too late?」です。アコースティックギターで音楽を奏でる「高高-takataka」が作製した曲のカバーで、本家とは違いバンドサウンドによるアレンジが加えられています。

夢を追いかけて今日を生きている人に向けた曲。もういい歳なんだからと散々言われた。耳にタコができるくらいに。けれど、諦めない。どうして周りがだめだと決めつけるんだ。まだだ、まだやれると、這い上がる意志を掬い取っています。

確かに、思い描いた現実とは違うさ。でも、流されるなと心が叫んでいる。もう落ちるところまで落ちたんだから、あとは上がるだけ。悔しい気持ちを忘れずに。

もう一度奮起する。今度はなりふりなんてかまってられない。がむしゃらに夢だけを追いかけるんだ、今に見ていろ。見返してやる。だから、遅すぎるなんて言うんじゃないよと、ヤイコが夢に押しつぶされそうな人の心を謳い上げています。

It’s too late?

It’s too late?

レビュー④ Gradation

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矢井田瞳のニューアルバム「Sharing」の4曲目は、「Gradation」です。3本のアコースティックギターで奏でるメロディーが、夢を叶えられずにいる人の不安を描いています。

頑張っているのに誰も見ていてない。思い描いた未來にはいないだろう。だからといってこのままで済まそうとは思っていない。少しずつだけれど夢に近づくために変わっている。絵空事を続けたらいつから現実になるのだから。

憧れを言葉に換えようとするけれど、上手に伝えられない。クリアだった夢にノイズが混じって昔のような明るさを保てずにいるが、かすかにあの頃の望みも残る。色の移り変わりのように。

どんどん闇の侵食が広がる現実を受け入れよう。けれど、不可能だと言い渡される夢は手放さない。だって、日々は刻々と変わる。だったら、明日には夢を掴んでいるかもしれないからと、ヤイコが夢をあきらめて現実への移行を促される人の想いを表現しています。

Gradation

Gradation

レビュー⑤ かまってちゃん。

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矢井田瞳のニューアルバム「Sharing」の5曲目は、「かまってちゃん。」。ウクレレの軽快な音色で、人の気を引こうと躍起になる方との縁切りを描いた一曲。

あなたはいつも寂しさをアピールしたり人を攻撃したりして、誰かに声を掛けてもらいたいのだろう。アピールに根負けしていざ手を差し伸べてみればさ、弱くないとつっぱねる。持っていないモノを主張した末の結果なのに、一向に学習しようとしない。

私はあなたの家族ではないの。もちろん母親でもない。だから一人で頑張ってと、周りにいる迷惑なかまってちゃんとの別れを歌っています。

かまってちゃん。

かまってちゃん。

レビュー⑥ ネオンの朝 ~関西限定シングル~

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矢井田瞳のニューアルバム「Sharing」の6曲目は、「ネオンの朝 ~関西限定シングル~」です。関西弁を織り交ぜながら大阪人特有のノリ・温かい心などを歌った曲。

嫌な気持ちが膨らんで何もかもやめてしまいそうな心に、大阪の街が醸し出す温かみ・人とのつながりがそっと背中を押してくれる。たとえ口だけであっても、気にかけてくれたことが嬉しい。

今は独り。恋人とはうまく別れられなかった。好きだった人との別れを忘れられずにいる。だから、大阪の街に行って笑いに変えてはくれないものかと、ヤイコは大阪を離れた人が弱ったときに抱く感情を表現しています。

ネオンの朝

ネオンの朝

レビュー⑦ はだしのダイアリー

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矢井田瞳のニューアルバム「Sharing」の7曲目は、「はだしのダイアリー」です。純粋な心で生きる人の想いを歌った曲。競争を勝ち抜かないと生きられないのが大人の世界だ。生きるためには人を蹴落とさないといけない。だから、知らずに誰かを傷つけてしまっている。

ありのままでいたい。それは非現実的だ。何も武器を持たないで進んでしまうと自分が傷ついてしまう。世界は広く、悪い人も大勢いる。できれば武器は持ちたくはないけれど、襲われないように、奪われないようにと最低限の武器を携帯しないとならない。

嫌な世界だからありのままでいられた昔を忘れないためにと、今の自分を戒めた曲だと感じられました。

はだしのダイアリー

はだしのダイアリー

レビュー⑧ きっとJust fine

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矢井田瞳のニューアルバム「Sharing」の8曲目は、「きっとJust fine」です。支え合うことの大切さを表現した曲。大切な人がそばにいるだけで、何気ない出来事に意味が生じる。できないと思ったことも「問題ない」と言い合えれば、不思議とやる気がみなぎるのだとヤイコは歌っているように感じました。

きっとJust fine

きっとJust fine

レビュー⑨ あなたのSTORY(Yaiko Band ver.)/ボーナストラック

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矢井田瞳のニューアルバム「Sharing」の9曲目は、「あなたのSTORY(Yaiko Band ver.)」です。ボーナストラックとして収録された曲で、2曲目の「あなたのSTORY」がバンドサウンドで表現されています。

2曲目の仕様はやさしく背中を押す印象でしたが、バンド仕様の曲は音の厚みが加わったことで、応援する気持ちが増幅されています。何をしてよいのかわからないけれど、とにかく戦っているあなたのことを想っている。言葉にするのも気が引けるし、嫌だと感じるかもしれない、どうしたらいいのか。

私にできることは何か。歌うことだろう。聴いてはいないかもしれない。静かにしてといわれるかもれない。だけど、この想いに嘘偽りはないから。だから届いてほしいと願うヤイコの心が強調されています。

ニューアルバムは癒し・後押しを求める方におすすめ!

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矢井田瞳のニューアルバム「Sharing」のレビューをまとめました。「いつまでも続くブルー」や「It’s too late?」、「Gradation」ではヤイコ特有の闇が表現されていますが、全体としてはしぼんだ気持ちを包み込んで、背中を押してくれる曲が多いといえます。

深い闇を表現した心理描写を望む方には少し物足りないと感じるものの、一歩前に進んで人との関係に向き合っている人には適しているでしょう。

私が購入したアルバムは通常版でしたが、限定版を購入すればDVDがついているので映像も楽しみたい方は限定版の購入をおすすめします。

Sharing (限定盤)

Sharing (限定盤)

  • アーティスト:矢井田瞳
  • 発売日: 2020/10/14
  • メディア: CD