コンテナガレージ

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仕事(フリーライター)、日常、小説、その他諸々

ROTATING SKY 5-3

 店内への搬入はガラス屋の登場を残すのみとなり、自分たちの仕事を済ませた作業員は帰っていった。作業時間は三時間弱。帰り際に、心遣いのコーヒーを配って渡した。

 ガラス屋はそれから約二十分後にやって来た。すぐさま私が確認、取り付け作業に入った。二名がガラスを慎重に特殊な手袋で持ち上げて、搬入そして取り付け。取り付けのときだけ不来も参加。ガラスを平行に保つ係りを担う。仕切りのガラスは拳でノックするように叩いてみるとその厚さが鈍い感度で跳ね返る。

 仕切りを四枚入れて棚は見事に出来上がった。ライトで明かりを照らすという選択肢も考えていたが、室内の照明によって投下される光で明るさは十分だろう。陳列の商品は、店で使用する商品を並べて、気に入れば購入できるというものでコーヒーだけを買いに訪れるお客にはあまり関係がないように思う。

 しかし、クライアントの強い意向であったので無下にもできずにどうにか狭い店内に邪魔にならないようにと考えた結果であった。店側には商品の売上に応じて料金が発生する。商品は一番目立つ場所におく予定のため、店側は利があると捉えているようだ。

 ドアが取り付けられた。この店には看板は作らないと決めた。お客が入らないのではと、クライアントの質問に、お客は興味を持ってまた来ようとするのです。〇〇珈琲、〇〇coffeeなんて書いたら、せっかくの不思議さは薄れてしまう。だから、あえて外から何をしているのか、どのような店であるかを通勤や散歩、休憩の合間に見かけることで各自に気持ちを高める。友人に誘われるかもしれないし、自らで敷居をまたぐかもしれません。あれこれと考えた末の出会いは、雑誌に書かれた、ある程度の予測に基づいた体感よりもお客の体内には残るのではないでしょうか、と提案した。

 コーヒー好きは継続して美味しいと感じたものを続けて習慣づけて摂取する傾向があると、クライアントが言っていたのでこの手法を思いついたのだ。

 ガラス屋を見送って今日の作業は一区切り。

 室内はガラリとした物足りなさから、主の到着である最後の一筆を待っているようであった。