コンテナガレージ

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エピローグ1-2

 画像も送られてきた。襲われたバス停と駅前の写真。時期もあの時と同じ季節。若干、背景が変わっていた。まっ平らな土地が背の高い覆いで囲われてる。無機質な壁。空も鈍色。上空を四方からのアングルでシャッターを切ったのだろうか。高解像度で、高画質。私が新しい機種に変えたのだと知っている、そんな予感。あの事件からは逃れられないと言いたのだろうか、だったら直接口でぶつけてみればいいものを、なんでまた回りくどい方法を選択するのか。

 ああ、これが最善だと自負してるのか。現代に生まれた人間か。ありがとうも文面で察することが可能ならば、手紙のそれでもかわりはない。無論、ものとしての扱いに手紙は分別されるが、内容はどちらもかわりはない。

 息子に手紙を書くよう言わないのはなぜだろうか、サンタクロースにはメールだって届くのだ。願いを短冊に書くのは、風物詩で毎日の出来事ではないから許されているんだろう。

 日が暮れて闇が支配する時間帯にこっそり寝床から這い出す。

 月が綺麗ですね、呟いやたのはいつ以来。

 ベランダに出て月の鑑賞会。

 隣の寝室では灰都の寝息。

 凛と張り詰めた気体が尖った神経を撫でるように解きほぐす。

 なぜ私は生きてるんだろう。思考は傾いた。あの時に死んでしまう運命ではなかったの?

 あの人も私よりも先にいなくなった。

 灰都だっていつ消えてしまうか……。

 疲労が襲ってきた。至る所の筋肉が悲鳴を上げているようだ。

 取り戻した温度センサー。

 室内は温かい。

 そう私の血だってたぶん温かい。

 見てみたくなった。

 血だから、これが巡り巡って体内の温度を保っている。

 だったらそれを見せてみろよ、隠れてないで出て来なさい。

 見てあげる。

 それが私なんだから。

 もう、偽るの止めた。

 私を見つけたの。

 給油の合図、ファンヒーターが闇で赤く警告。

 わかってる。もう、思い出したよ。