コンテナガレージ

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焼きそばの日10-3

 丁寧に国見が対応、お客の声もか細いながら要求の主張ははっきりしている。また、アイスパンの注文だ。

 女性、奇抜な髪色、髪形の奇抜さは髪色と行動で薄れた。女性が注文、会計。そして列を逸れる。店長は行く先をおぼろげに視界に入れていた。彼女はふらりと水平に傾き始める角度を維持して、再び店の最後尾に着いた。

 忙しさと繰り返しが彼女の存在を薄める、髪型と類似した効果。危害を加えない。危険とは想定範囲外、予測不要に思わせたのは遺伝子が否定しているためだ。弱さや恐れは本能。高所における大胆さを勇敢と呼ばない、と店長は考えて、現実に意識を通わせた。それから女性はさらに二度列に並んだ。目的は不明のままであった。

 国見が数十分の休憩に入る。

 午後五時。憤りもさながら、お客の一人が商品に髪の毛が入っていた、列に割り込んで会計を担当する小川に食いかかった。

「食べ物に髪の毛を入れて売るって、考えられない。危うく食べそうになったじゃんかよ、どうしてくれるんだよ、これからアイラのライブを見に行くつもりだったのにさあ」どうにかしてくれ、そういった曖昧な表現要求は店でも数ヶ月に一度発生する事態である。髪の毛は自然に抜ける、その事実はお客は店に入ると感知を拒んで記憶を抹消すると店長は思っていた。他人と自分を同等に思いこむ癖は、世界が一つであるという認識の下に生活を送る証明である。

 小川は物事に動じないタイプだ、じっくりお客を見定めて、言い放つ。

「よーく見てくださいよ。ほら太陽に当ててみてごらんなさいよ。どっからどうみても、キンキンに光ってるじゃないですかぁ、ねえ皆さんも、見てくださいよ。そして店内を御覧なさい。誰がそんな髪色をしてますか?真っ黒黒ですよ。しかもこんな中途半端な短い髪の人はいません、隣の人はうちの店長ですけど、入っていたのは数センチの髪の毛、私には天地がひっくり返っても、お店で混入した髪の毛とは思えないのですよう」小川は両手を添えて拡声器を作り出す。

 並んだお客の首がまばらに縦に動いた。

「俺の髪の毛だって言うのかよ?」お客は肩を怒らせ反論する。戦いから逃げ出せば最小の手負いで命は助かったはずだ。

「誰もお客さんの髪の毛とは一言も私言ってません。ただ、お店の関係者、アイスパンを作った人たちの中には短い髪の毛、それも赤茶けた髪色の人物は一人も存在してない。従業員はこれで全員です。休んでいる人は、ああ、来た来た、髪が黒くて肩口まで伸びて、枝毛とか切れ毛だったとしてもスパッとこんな断面にならないんですよ、男性にはわかりませんよね」