コンテナガレージ

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仕事(フリーライター)、日常、小説、その他諸々

ガレットの日5-1

 週明けの月曜、午後三時三十三分。揃った文字。アナログ時計でこの時間に気を使う人物はほとんどない、心配性または幸運という幻想を抱いている人たちは意識したその時間帯を無意識に忘れ去って、さも初対面を装って上昇と下降に気分を這わせる。

 ランチの終了と同時にざぶっと通り雨が降って、青空が覗いたのも一時間ほど。時計の針が三時を回ったあたりから雲行きが怪しく、また小雨がちらついている。

 国見はレジの出入金の係りを任され、やっと確認が終わったところで、これから彼女は休憩に入る。館山リルカが既に休憩、厨房では小川が国見の次に休憩に入る。サイボーグには見えない店長は今日も休みなしで厨房に立ち続け、なにやら作業をこなしている。店長の動きを観察しても特段、体力を温存しているようには見えなかった、むしろしなやかさが際立つか、茶色のスプリングコートを羽織って国見は屋外へ、目指すは本屋と喫茶店

 S市中心街は昨年S駅までの地下通路が開通し、通行客のほとんどは地下にもぐっていく。傘を持たない雨の日の地下の混雑振りはむせ返るような湿気が立ち込めて、得意になれない。彼女は毅然とした外交的な性格の反面、一度躊躇いを覚えた現象や人物、物事に対して強烈な拒否反応を示す。店では隠しているつもりはないけれど、まだそういった場面にでくわしてないだけのことだ。

 店で働くようになって体重は三キロ減った。店長の食べない姿勢に影響されたのである。特別、体重を気にしていたのではないが、二ヶ月ぶりに体重を量ってみると減っていた。食べないと減る、というは幻想ではなく事実であったようだ。ダイエットはそれこそと何ヶ月、何年と同量の体重と付き合ってきたのである、数ヶ月の短期間に減るはずもないと思っていたが、まだまだ必要以上に食べて、そして飲んでいたようだ。甘く、既にコーヒーとは呼べない代物が朝食を抜いてからというものまったく受け付けなくなった。飲めなくはないが、甘さが口に残り、自然とコンビニでは手に取らないように味覚が行動を変えた。

 駅前通り、交差点角のショーウィンドに映る姿で彼女は連想したのだ。立ち止まった国見は右に曲がって直進。信号を小走りで渡って、ビルごとすべてが本屋と化している建物に入った。目的のものは一階にある。彼女はモータスポーツの観戦を趣味とする。仕事柄、週末に開催するレースにはこれまで一度も足を運べていなかった、じかに触れて、音を聞いてみたいという想いはないこともなかったが、レースを楽しむ上で彼女はラップタイムの推移からタイヤの磨耗によるタイムの減少の計算やコース特性、当日の気温、予選での順位、これまでのレースでの調子などなど情報を集めたレース予測が楽しみなのだ。現在ではネットで数々の情報は手に入る。それでも毎回数冊の雑誌は毎月欠かさずに講読している。電子書籍でも売られているようだが、興味はない。これぐらいの重さを重たいと感じることが違和感だらけ。