コンテナガレージ

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今日は何の日?4-3

 店長は、二人が厨房に揃うと発表した。館山に副菜、小川にランチのスープを任せる。小川は、それから九時に国見が出勤するまでに、闇雲にメーンの豆料理との相性を頭をひねって考えていた。

 館山が作る副菜に今日の気温との兼ね合いを考慮に入れたスープを、厨房を歩き回り、ライスの炊き上がりを待つばかりで手が空いているのをいいことに、時間ギリギリまで粘って、香味野菜と鶏がらの寸胴のスープを使い、一口の賽の目にカットした大根とジャガイモとにんじんを煮込み、さっと最後に酢を合わせてさっぱりとした味に彼女は仕上げた。

 館山の副菜はひじきの炒め物に取り掛かる、館山が使うにんじんを小川は拝借したのだ。出し汁は冷凍と常温に戻したものがある。今日が提供期限リミットだったようで、出し汁の使用許可を店長が出したことをきっかけに、館山はひじきの使用を決めたらしい。

 開店。お客はあっという間に店内の椅子を埋めた。その中に、お客にまぎれてフランス料理促進普及協会、副会長の真柴ルイの姿を小川は見つけた。真柴をカウンターに案内したのは彼女である。あまりにもおとなしい真柴に席に着くまで当人だとは気がつかなかった。あまりにも風貌というか雰囲気が違いすぎていたのだ、ワンピース、それも淡い水色の私でも切るのを躊躇うような服を着ていたから、小川は店長とホールの国見だけそっと真柴の来店を教えた。

 ランチに並ぶお客はメニューを見て、せっかく並んでいたにも関わらず、店に入る段階になって、入店を躊躇い、二の足を踏むお客が数人観測された。料理を目当てにではなく、"行列"に並んでいたお客、ということだろう、小川は店を後にするお客を見送って、次のお客を迎え入れた。

 午後の一時を前に仕込んだ具材が底をついた、いつもよりも数十分早い店じまいである。ランチタイムは二時までのため、一時間も早い閉店。