コンテナガレージ

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パート1(2)-4

「また、お話をさせてください。詳細は後ほどお知らせします」

「方法は?」

「家や学校以外の場所で、お渡しします」男は女子高生、僕と別れを惜しむ彼女を引っ張り、黒のセダンで走り去った。ロータリーに学校の職員が降り立つ、教室で会った教師だ。目標はやはり僕のようで、一直線に不法駐車の車を乗り捨て、近づく。

「まだ駅にいたの?話していた男の人は誰ですか?」高圧的な問い掛け。これは叱りではなく、単なる怒りだ。

「友達のお姉さん。男の人はそのお父さんです」

「名前は?」

「サトウさん」

「どこのサトウさん?何組?」

「うちの学校じゃありません」

「じゃあどこの学校?」

「家の近くです」まったくもって不毛なやり取り。教師はメモを取っている。覚えられないのか、それとも他に覚えておくべき事柄や抱えた難問に挑んでいるのか。おそらく、どちらでもない。

「早く帰りなさいね、次の電車には乗るのよ」支えている、遠くから見守っている、これが教師の原動力。家族がいるのかもしれない。どうでもいい、切り捨てよう。車両に乗り込む僕はデッキに立って、データの観測を彼らに提供するべきかを考えた。有益な医療に適用されたら問題はないか。左目、まぶたが痒い。真っ白な眼帯は、マスクのようにいつも鞄にストックされる、家には大量に買い込まれていた物がある。母が買ったのだ。償い。自らの精神安定の作用を含んでいるが、僕は現実を受け止めて意見を飲み込む。乗り換えのターミナル駅、高架下の車道、車のランプが赤く光る。渋滞の苛立ちをハンドにぶつけるドライバーを見てしまう。僕の世界を破壊するように後続への合図が怒りを帯びて観測されてしまった。