コンテナガレージ

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パート4(8)-3

 狂乱。

 ベッドから天井見つめて、また死角の漆黒を今度は両目に。

 遮光カーテンが午後の光を遮って、いつの間にかの今日、三度目の目覚め。

 視界の欠落は改善され、両目とも通常の視野領域を確保してる。これまでの私、いいや僕を探す。しかし、見つからない。隠れているんだろう。たまに恥ずかしがって表に出るのを躊躇う僕なのだ。

 左側、ベッドサイドに用意された水差しで喉を潤した。看護師が入室する。絶え間ない微笑、常に携えているとは思えない。だけど、彼女は心象を素直に表現しているとも思えた。二つの意見だ。僕はそっとつぶやく。看護師が僕の要求を聞き逃したように、言葉を求めたが、なんでもない、と私は言い返した。しばらく看護師と二人っきりで止まった時を過ごしていると、医者たちと両親が姿を見せた。

 僕の身を案じる両親はどこか芝居がかってみえる。離れて僕の経過を観察する父は、僕の生態を隅々まで一様の定義を見出す態度が見え見え、その方角に絞って観察を続けても、何年であっても、あなたに見せる姿は月と同様の表。だって、あなたは低位置の待機に見せかけて周期的な運動を絶えず続けているんだ。だけれど、見てくれているだけで十分だと私は思うの。