コンテナガレージ

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予期せぬ昼食は受け入れられるか?2-4

 コーヒーは最初の一口から一切、手がつけられなく、湯気が消える。そんなことはお構いなし。一旦思考に這入りこんだら最後、周囲の状況はいつも二の次に変換されるのは、店長のスタイル。道を間違えることもしばしばで、今日家に考えながら辿り着けたのは、凍った路面が適度に現実に引き戻したのが大方の要因だろう。普段ならば、曲がるはずの道をいとも容易く越えてしまえる。

 新聞の内容は綺麗さっぱり切り離した。

 考えるのは来週のランチ、これから続く終わりの見えない永続的な時間に見合う、新メニューの発案で、だから、考察の時間が長いというわけでもないのだ。単に、明日の休日にあわせた体力の温存を図らない状況が、夜更かしを許可しているといえる。

 しかし、休日だから昼まで寝ている店長ではない。普段の睡眠も七時間を常とする。前後三十分の誤差はあるにしても、起きる時間はいつも目覚ましが鳴る前に両目が部屋を捉えて、起き上がり、ちょうどベルが鳴るのだった。朝の心配をしているのか、店長はめずらしく時間に拘束されない明日を思って、反対に時間を意識する自分を見つけた。ランチの主だった方向性を考察するのだから、仕事と時間が考えについてくるのは、妥当な指向性か。改めて、自分の考えを見直す。

 手を伸ばして、レースのカーテン、片側を開ける。雪が融けて窓に張り付くのは、室内の温度が上がっただけではないようだ、張り付いたそばから水滴になっている。霙。

 大豆と小麦の二つを天秤にかけるのは、裁量の判断?そんな疑問さえも、浮かぶほどに考えがまとまらない。めずらしいことである、店長はあまり選択に時間をかけない、いいや、かけているが決断は即決でスピィーディーなのだ。判断は先延ばしにしておこう、店長は割り切りも早い。

 こういった判断は、普段の生活の隙間で考えるべきと、自分は思っている。深く腰を据えてしかも、腕を組んで、その場から動こうとしない、そういった状況下で得られた答えに、店長はこれまで納得することがなかったのだ。もちろん、行為自体が不要とはいえない。自分には合わないというだけのことだ、適しているならば続ければいいし、またあわないのであれば、無理にそれが正しいと思い込まずに他の方法を模索、コピーしてでも検討するべき。