コンテナガレージ

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予期せぬ昼食は受け入れられるか?2-5

 シャワーを浴びる。コーヒーは忘れられたまま、ライトに照らされた注目を浴びている。体を洗う時、店長は極力何も考えないようにする。しかし、言葉は頭を走り回るし、止められないのがいつもの流れであった。

 ランチのメニューが過ぎる。

 お客の求めは小麦か大豆か。白米は選ばないと決めた。先週に起きた訪問はうんざり。彼らは何を求めていたんだろうか、店長は振り返る。白米を要求したのだ、食事ではなくて、販売である。言葉に信憑性を込めた主張で子供の生命を訴えていた母親と、教育や生活環境の待遇に不安を覚えた父親、それぞれが受け持つ、あるいは現在おかれる環境下を元にした発言と主張に要求であったように思う。彼らの子供は食品への耐性をつける以外の生活改善の方策は受け付けない食事を避けるしかない。食べたい物に勝って、食べられる物が"豪勢"の主流になりつつあるのか。

 シャンプーの泡を落とす。体を洗い、全身を満遍なく流して、体を拭いた。鏡を見つめて、考えを続ける。

 食べられる物といえば、大豆と小麦。健康被害の報告に恐れる国見の証言も聞いていなかったわけではないが、努めて真摯に受け止めるほどの説得力が自分にとっては不足している。これからの経過観察によっては、白米や白色小麦の取りすぎによるビタミン不足も懸念されるだろう。だけど、長期的な摂取によらなければ、そういった観測の結果が得られないことも事実である。なので、両者の線引きはここでは行わないことにしようか。

 歯を磨き、口をゆすいで、タオルを洗濯籠に投下。リビングに戻り、コーヒーカップを冷蔵庫へ。室内の電気を消した店長は、ひんやりと冷たいベッドにもぐりこめば、数分で眠りに落ちる得意な体質。規則的な胸部が上下動に浮いては沈んだ。