思案。立ち止まり、腰に手を当てる。
作業を抽象化する。何をしているのだろうか、根本を探す。
火を入れる。豆を茹で上げる行為は、水分を含んだ豆を加熱すること。
……オーブンと釜だ。
水分を含ませつつ、通常の半分の湯で時間に大豆を上げたら、きっちり水分をふき取り、豆をローストしよう。
火加減は、限りなく弱火。焦げてはいけない。離れられない、国見に頼もう。
大豆はこれで目処がついた、店主は次に合わせる食材を探す。ピザはオーソドックス。トマトソースに塩漬けした豚肉にピーマン。
白米には何が最適だろうか、過去のメニューをさらう。鶏肉だろうな。
とうもろこしは前回の薄焼きの生地を肉と野菜の炒め物で巻いたスタイル。
しかしだ、ピザはどうやって提供しようか。一枚のままでは容器が小さすぎるし、紙に包むにも強度が不足。
そもそも丸にこだわる必要はない。満遍なく火が通るために工夫であるのだ。長方形で味が変わるわけでもない。持ち運びを重視。円の直径はおよそ十五センチ。約百七十七平方センチ、計算しやすく百七十六に引き下げ。八で割って二十二。それをさらに二等分で長辺を十一にする。これでも片手では持ちにくいか。ならば、余白部分の生地を焼き、中心の具材とソースを包む形をとろうか。紙に包んでもソースが張り付かずに、口に運べる。
館山が立つ釜近くの作業スペースで上に設置された棚を探り、各種テイクアウト用の容器を取り出しておく。館山と軽く接触。
ピザ生地の大きさを彼女へ伝える。目がすぐに逸らされる。接触の影響だろうか。取り合っている暇はない、忙しくなくともそれは不変だ。