コンテナガレージ

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不躾だった私を、どうか許してくださいませ6-6

「だろうね。それか僕らが調べることにとっさに反応して、事務所や倉庫の案内には言い出せなかったとか」

「犯人の検討がつくから、ということですね」

「店長さんの有難い見解をしたためた後に、寄ってみるとするか。嫌な予感がしてきなあ。きな臭い」

 二ブロックを南下、南北を分断する片側四車線の通りに突き当たる。

 信号待ち。

 まだ残りは二ブロック先。

「あれっ?」鈴木が高い声を出す。額を水平に遠方を視界に収める仕草。

 種田もそちらに方向とピントを合わせた、彼女の視力は両目ともに二・0である。

「人がわんさか走ってく、あれって、見えにくいけど、ブルー・ウィステリアの辺りじゃないか?」鈴木の声が高まる。

 建物の数を確認、数えて、上空の俯瞰に映像を切り替えた。種田は蓄積した中心街の地図と現在地、指摘した対象位置とを照合する。当然、仲通り面した事件現場のブルー・ウィステリアを取り入れる……。大よその場所は事件現場と符合したが、ブルー・ウィステリアは手前のビルより奥まった位置に建つようで、ここから全景は捉えることは難しい、顔を傾け、首を伸ばしても視界は変わらない。

 種田は答えた。「はい、おそらくは」

「通りがかったのは、捜査に入る?」鈴木はおどけてきいた。

「いいえ」

「訪問先は別の場所だよね?」

「はい」

「車じゃなくて、徒歩だから信憑性は高いだろうね」

「理解に及べば」

「初見の顔ってどんなだろうか、驚けるかな……」

 二人は時差式の信号機をいつになく真剣に凝視した。