コンテナガレージ

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手紙とは事実を伝えるデバイスである7-2

 本当に同時だった。穴が開くように見つめた。ドアがどうして開いたのかは、その時に考える余裕があってたまるか。揺れ動いた感情。ようやく、気を取り戻したのは、会議室に移った時。しだいに、全身へ血液が通い、私は現実を見つめられた。ドアに触ったの?社は細かに首を振る。思い出せないや。出産と子育てに奔走していた、この間までの自分を見ているようだ。

 目の前に起こる出来事の処理に追われる。

 常に時間は過ぎて、休む間もない。

 次の出来事が再現なく続くの。

 私は振り返る暇なんてなかった。

 死を受け入れる、私の許容量は一杯になったのだ。

 私が殺した?まさか、ありえない。

 午前中はデスクに張り付く。

 自分を疑うの?

 ドアの指紋の指摘は、私が体でドアが閉まらないように支えたのかもしれない。

 可能性はいくらでもあるのだ。指先が冷たくて、袖の中に指をしまったのかも。

 数人の社員がバッグを肩に、フロアを出て行く。夕方はとっくに過ぎた、もう帰る時刻か。そうだ、今日はお迎えの日だ。私の番だった。まずい、迎えの時間はもっとくに過ぎてる、私の帰りが遅くて泣いていないだろうか。社は旦那に連絡を入れるが、でない。電源を切ってる。仕事中か……。あの刑事に頼むしかないか、ここを離れられるだろうか。考える暇があるなら、その可能性を試すべき。私は言い聞かせて、弱さの高まりを抑える。

 行き先の見当はつく。

 玉井の在籍フロアをPCで調べて、社は足早に退社する同僚たちと箱に乗り込んだ。