コンテナガレージ

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店長はアイス  過剰反応2-2

「ああ」熊田のそっけないリアクションに種田は言う。
「ファストフードは口に合いませんか?」
「いいえ、久しぶりに食べるなあと思っただけだ」
「おま、種田はよく食べるのか?」お前といいかけてやめた。何度かこのフレーズによって手痛い指摘を受けていた。
「食べ物という認識はありません。むしろ、栄養補給に近いかと思われます」
「育った環境がたぶんに影響を与えている。この文化が生まれた土地で生きていたら、何気ない食事なんだろう」
「いいえ。私にとって食事全般がただの栄養補給ですから」
「そうだったなあ」
「はい」海を見つめならが二人は立ったまま食事に手をつける。夜店や屋台の立ち食いは許されてコンビ二やファストフードのそれは見っともないと嗜める人の気が知れない。熊田は思う。ではなぜそれらが売られているのか、そして買われていくのかを考えもしないのだろう。
 熊田は先にバーガーを片付け、飲み物とポテトに着手する。手に油がつかないように紙ナプキンでポテトを掴む熊田である。汚れて拭いていては、キリがない。
「熊田さん。来ましたよ」後方から鈴木の声が届く。ポテトの残りと船の接岸、それとゴミを捨てに行く時間をはじき出す。船は内海にやっと入ったところだから、ペースを多少上げるか。熊田は飲み物の残量を考えに入れ忘れて、咄嗟にストローでお茶を流し込んだ。隣の種田といえば、既に食べ終えてゴミを捨てに行く背中が見えた。足音がないと言う鈴木の主張もまんざら嘘ではない、と感心する。
 船が決まった場所に接岸し、ロープを岸に括りつけた。小走りで熊田が戻る。間に合った。高台から鈴木も降りてきた、食後の一服を風の流れを読み、種田にかからないように一歩下がった位置で鈴木。
「山田福さんですね?」セールスマンのようにそっと種田が降り立った山田に尋ねた。
「そうですがぁ、もしかして警察の人?」
「はい。今朝、この場所で通報をされたのはあなたで間違いありませんか?」サングラスを取りつつ山田は日焼けした顔で言う。
「僕ですよ。携帯に履歴が残っている、見ますか?」彼は一昔の実業家にみえた。ポロシャツに開いた胸元、髪にかけた色の濃いサングラス。最近はあまりなじみがない。