「セミナーでも開いたら案外、お金取れるかもしれない。その話し方」
「納得していないみたいだな、まあ、わからせようとは話していない」
「売る相手を選ぶのに情報を流す意味があるの?」
「私の行動から制約避けるため。抱える案件を常に購買の状態、お客とフェアな立ち位置に取り繕うことで、土地所有を正当化しているのさ。閉鎖性は狙わる可能性が高い。私の趣味が大切だからな」
「ふうん。なるほどね、道楽を最もに上げてるってことか、それで、どうしますか社長さん」かしこまった口調で姪が話しかける、端末を当てる耳代えたようでガザゴソ、音声が伝わる。
「今日中にそっちに帰る。明日以降の予定を組んで、可能な限り個人を別々の日程で交渉をまとめてもらえるとありがたいよ」
「どうやって決める?いつもはこちらからピンポイントに探し出して契約にこぎつけるでしょ。複数の相手から選び出す基準みたいなものって、なんか決めてるの?」
「特にはないよ。まあ、価格は高いほうが良い。だけど、それも私の旅費と事務所の経費と僕と君との給料、生活費が捻出できれば問題はない。定めた価格を上回っているのが決めてとは言えないかな」
「じゃあ、もしも一日に集約してお客を順番に事務所に呼び寄せても、明日中には決まらないってこと?」
「そうなるな」
「二度手間だと思う」姪は感情を込めて言う。「一応東京だけど都市圏から離れているここに、誰が二回も足を運ぶんだろうか」つまり、彼女は契約締結のときのことを言っているのだ。しかし、契約を事務所で行うことはまずありえない、ありえたのであろうが、これまでは相手の自宅やホテルのラウンジで行ってきた。
「事務所で面会とは言ってない。それに足を運ぶさ、お客は。それほどの欲しい物件だからね」
「自信があるのね、めずらしい」
調月は間をおかずに話す。「連絡を頼む、面会の時間は朝の十時。遅すぎると無用な期待を膨らませてしまう」
「かけてきた人から優先的に連絡をするようにしますよ」
「うん、そうして」
「お土産待ってますから」
「学校にいった?」間があく。
「朝から仕事を押し付けておいて、その言い方はないでしょう?」
「事務所の電話は君の端末に転送される設定だって言わなかったかな?」
「とにかく、私は今日は忙しかったんです。だから、お土産の甘い、お茶を必要とするお菓子の類がすごく、ものすごーく、たんまりと目一杯、これでもかってぐらい、とことんまでに欲しいんです。授業にはこれから行くよ、いわれなくってもさ」
「別に嫌なら、家に戻ればいいよ」
「それを言わないでよ、ここよりももっと居づらい」
「だったら、仕事を頼むね」
「はぁい」ふてくされた頬が映像に浮かぶ。
「切るよ」
「忘れないように、お土産」念を押された。
「はいはい」