コンテナガレージ

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 変化はあまりというか、ほとんど感じられない。比較的良好だ。頭を替えた、と言っていたけれど、支障はないし、こうして車の運転もできてしまえる。自宅に帰って、彼女へ報告。不具合がないことを伝えた。僕はシャワーを浴びて、すぐにベッドに入った。疲れていたのか、昼間に眠ったはずなのにすんなり睡魔が訪れたらしい。何か困っていたように思うが、思い出せない。考えることでもないのだろう。

 そして、翌朝。頭がスッキリ。会社に出社。なにごともなく、というよりも仕事がはかどる。休養で英気が養われたようにも思える。休みはなにをしていたんだっけ?

 こうして、翌週。手帳に記されて検診日。休暇を取った僕は病院を訪れる。受付の待ち時間が退屈を患うほどに長い。診察は十分もかからずに終わった、来月にまた来るようにと言われて。病院を出た。今日は仕事を休んでしまったため、特に暇な一日になってしまった。まだ午前中である。少しドライブでも、僕は帰り道とは反対方向へ車を走らせた、古いトレーラーハウスを見つけた。

「いらっしゃい」

「こんにちは」店は閑散としてる、暇なようだ。僕はカウンターに座る。

「オレンジジュースとアップルパイを」

「コーヒーは飲まれないの?」

「はい?」

「タバコは吸わないの?」

「タバコですか?」急に離しかけてきた店員に僕は少し抵抗を感じた。「ええ、吸いません」

「そう」

「甘いものはお好き?」

「はい、まあ、好きです」

「そうか、そうなんだ」

「あのう、なんです?」

「いえ、なんでもないの、気にしないで。はい」コルクのコースターにストローとオレンジの黄色に透き通る氷。

 甘さが口に広がる。たまらない。何気に僕は背後の窓を振り返った。どこかで見たような風景である。

「すいません」僕は店員に呼びかける。「僕は以前こちらへ来たことがあったでしょうか?」