コンテナガレージ

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不躾だった私を、どうか許してくださいませ2-13

「ええ」

「日曜日はお休み?」

「はい」

「明日、ランチの仕込み時間がいつもよりも軽減される、手が空いた仕込みの時間に窺います」

「丁寧なご配慮を」

「いいえ、とんでもございませんことよ」口元を押さえて微笑む彼女が想像に浮かぶ。「それではどうぞご帰宅を、従業員の皆さんにも、よろしくお伝えください。私はこれで失礼させていただきます。……ああ、そうそう。もう一つだけ」わざとらしく付け加える、演出。「あなたの左斜め、窓の下、石の棚の裏側に盗聴器があります、回収と処分をお願い」

「カメラは?」

「あなたはどこの電話に出ているの?レジの下の親機、その受話器を取っているはず。受け取った受話器、従業員に背に向けてたでしょうね」

「目を瞑ってでも思い描いた景色を見通せるのですね」

「いいえ、あなたの行動は読めません。よって、こうした回りくどい提案が実行された。まあ、本来の手段とやらは、おいおい、契約を結び次第ということで、後方の方々のイライラも顕著に現れ始めることでしょうから、ごきげんよう