世界をあの人に見出したからって、彼女が求める最良のパートナーであるものか、馬鹿者が。
フレッシュなあの人に驚いたその時点で相容れない、単に受け入れる器だと認めるのだ、愚か者め。
誰一人として射止めることは無理、堕落者よ。
無駄に命を落すわ、やってみて御覧なさい、太陽を火をずっと見つめていられるの、近距離で。
アイラ様を語る資格を剥奪された、自覚をした上での発言よ。
参戦になびいた、私の敗北だわ、うん、潔く認める。
確かめたかったの、この目で、耳で、態度で、気配で、同じ空間・空気で、そうしたらもしかしたら、私が残りのピース、彼女に欠けた唯一の、世界中の名誉を総合したぐらい豪奢な役回りなのかもって。持ち上げられるかもしれないって思いたかったの、封じ込めた私をさあ……。
けれど、ええ、予測の通り、あの人が私を選ぶことはなかった。ライブを邪魔した面倒なお客としか観ていなかったわ。
達観してるように書いてる、本来は打ちひしがれてもおかしくはないんだ、けどここは会場であるし、人目もある、一人だったら、たぶん私の周りに雨が降ったでしょうね。
速達で送ります。明日の朝一で投函しますよ、この手紙を。違う、月曜日を待たないと遅れないや。くれぐれも次の方は、返信をお早めに。
最後に、私は一人目の方を殺してはいません。不必要かと思いましたが、いらない詮索を受けても困りますので、予め発言しておきます。それでは、皆さんごきげんよう。大多数のファンに成り下がったドロシーでした。風邪など引かないよう体調には十分気をつけて、お過ごしください。またの機会に、しばしのお別れ」