コンテナガレージ

サブスク・日常・小説の情報を発信

赤が染色、変色

「ご飯が炊き上がりました、ご飯が炊き上がりました」炊飯器が呼びかけた。七時を過ぎたか、彼女はリビングの照明をつけた。

 カレーは二日目がおいしいのと言い訳めいた文言で明日の夫の夕食を私は既に作り出し、完成完成作り置き。

 すらすら言葉が、つらつらリズムに乗せて、きらりきらりの残響が、不意に故意に視界に満ちる。

 スプーン片手にアイラの魔法、いつの間にやら私は虜。

 ピンポン、ピポンとチャイムがなれば、手元の杖でお出迎え、えいと一振り、魔法の香り、くんくん、はふはふ、食欲増進、見事見事にお手のもの、上着を受け取り、ちょちょいのちょいと、明日も同じカレーなの、いいよいいよと同意を勝ち取り、あれよあれよと空の皿、浮かれ浮かれて風呂掃除、夫をもてなし湯船を勧め、あしたあたしよ、晴れろ晴れ。天気は良好、うきつ浮かれて、知らず存ぜぬソファで撃沈。むにゃむにゃ、はふはふ、へへへへへ。よだれを拭いて、夢へと落下。あれまあれまと、続きはまたね。