コンテナガレージ

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2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

あいまいな「大丈夫」では物足りない。はっきり「許す」がききたくて 1

白に塗り替えた内装、自動扉(door)の一枚外側に鎧戸(shutter)、導き光床に一筋二筋陽が漏れる。倉庫を思い起こす。罪悪感と身を寄せた「明るくなければ」は、体内で最高域(peak)を迎えた。立ち上り、霧散。煙草の煙みたいだ。種田は日本正(にほんただし)の吐…

「はい」か「いいえ」1

先週は店の二階にとって開業から今日までで最も脚光と活躍の場を与えられたろうか。二週間に一度、手抜き掃除を続けていて正解であった。月曜の昼食献立(lunch menu)は気温の低下を考慮したシチューを起用し日曜の夕刻あたりから取り掛かり終電の一本前まで…

『する』が次第に『すべき』に変わり、『すべき』はころりと『しなければ』

手ごたえを感じるなどとは恐れ多い、立ち止まり居座る安住の地であってたまるか。 日本正(にほんただし)は暑さを日増しに否応なく体感する北の夏仮居(かりずま)いの一屋へ網戸を取り付けようか、思案は着替えと退室の数分内でのみ許す、昨日は配送業務を行う…

『する』が次第に『すべき』に変わり、『すべき』はころりと『しなければ』

手ごたえを感じるなどとは恐れ多い、立ち止まり居座る安住の地であってたまるか。 日本正(にほんただし)は暑さを日増しに否応なく体感する北の夏仮居(かりずま)いの一屋へ網戸を取り付けようか、思案は着替えと退室の数分内でのみ許す、昨日は配送業務を行う…

「はい」か「いいえ」1

先週は店の二階にとって開業から今日までで最も脚光と活躍の場を与えられたろうか。二週間に一度、手抜き掃除を続けていて正解であった。月曜の昼食献立(lunch menu)は気温の低下を考慮したシチューを起用し日曜の夕刻あたりから取り掛かり終電の一本前まで…

「はい」か「いいえ」1

先週は店の二階にとって開業から今日までで最も脚光と活躍の場を与えられたろうか。二週間に一度、手抜き掃除を続けていて正解であった。月曜の昼食献立(lunch menu)は気温の低下を考慮したシチューを起用し日曜の夕刻あたりから取り掛かり終電の一本前まで…

テーブルマナーはお手の物  6

「つまり、私たちと言葉を交わした二人はまったくの別人であった、これを信じろとでも?」 「お怒りは重々承知、僕だって騙された一人だよ。種田がすべてを見通せる博識ぶりは認めるけど、だれにでも見落としや失敗のひとつはあるんだから。汚点と思わないこ…

テーブルマナーはお手の物  6

「つまり、私たちと言葉を交わした二人はまったくの別人であった、これを信じろとでも?」 「お怒りは重々承知、僕だって騙された一人だよ。種田がすべてを見通せる博識ぶりは認めるけど、だれにでも見落としや失敗のひとつはあるんだから。汚点と思わないこ…

 テーブルマナーはお手の物 4

「様子を見てくるよ。やっぱり窓が気になる」おもむろに鈴木は粒の大きな雨の中へ再び出て行った。気乗りしないが、種田も小走りに駆けた。鈴木が呼び鈴(iner phone)を押す。登校時間の午前八時前後に高山秋帆(たかやまあきほ)は姿を見せてはいない、今日も…

テーブルマナーはお手の物 4

「様子を見てくるよ。やっぱり窓が気になる」おもむろに鈴木は粒の大きな雨の中へ再び出て行った。気乗りしないが、種田も小走りに駆けた。鈴木が呼び鈴(iner phone)を押す。登校時間の午前八時前後に高山秋帆(たかやまあきほ)は姿を見せてはいない、今日も…

テーブルマナーはお手の物 3

「五月二十七日の午後十一時四十三分頃だと思います。間に合いそうもない、諦めかけて歩いてました、地下を。……確か、前に男の人が歩いていて、追い越したんです。、その人上を天井を見上げてるみたいで少し気持ち悪そうだなって、不審者が頻(よ)く出るって…

テーブルマナーはお手の物 3

「五月二十七日の午後十一時四十三分頃だと思います。間に合いそうもない、諦めかけて歩いてました、地下を。……確か、前に男の人が歩いていて、追い越したんです。、その人上を天井を見上げてるみたいで少し気持ち悪そうだなって、不審者が頻(よ)く出るって…

テーブルマナーはお手の物 2

「階段へお客さんの列を誘導して、なんと雨でもお客さんを帰さない工夫を凝らしてるわけですよ」興奮気味の小川安佐は休憩を終えて真っ先にそのことを伝えたかったが、昼食(lunch)の仕込みと、館山リルカはpizza(ピザ)生地の精生(せいせい)に掛かりっきり。…

テーブルマナーはお手の物 2

「階段へお客さんの列を誘導して、なんと雨でもお客さんを帰さない工夫を凝らしてるわけですよ」興奮気味の小川安佐は休憩を終えて真っ先にそのことを伝えたかったが、昼食(lunch)の仕込みと、館山リルカはpizza(ピザ)生地の精生(せいせい)に掛かりっきり。…

テーブルマナーはお手の物 1

市内の中心地O駅を西へ、二区画(block)進む。傾斜の急辛(きつ)いでんぐり坂を二つ目の信号で逸れ茶色の雑居ビルを過ぎた先に着く、徒歩で約十分の距離。種田は毎日この経路(root)をO市警察署まで歩く。有形文化財に指定される近代建築の代表作が勤務先と聞…

テーブルマナーはお手の物 1

市内の中心地O駅を西へ、二区画(block)進む。傾斜の急辛(きつ)いでんぐり坂を二つ目の信号で逸れ茶色の雑居ビルを過ぎた先に着く、徒歩で約十分の距離。種田は毎日この経路(root)をO市警察署まで歩く。有形文化財に指定される近代建築の代表作が勤務先と聞…

「する」と「できない」の襲来 5

平謝り。松本商店の専務と部長がようやく帰った、店長の気難しい態度を腹を立ててると勘違いしたみたいだった。顔を出すのは配達人のいつものお兄さんだし、部長さんはめったにというか、季節ごととか、新たに入荷した珍しい品種を隔月に一度ぐらいの割合で…

「する」と「できない」の襲来 5

平謝り。松本商店の専務と部長がようやく帰った、店長の気難しい態度を腹を立ててると勘違いしたみたいだった。顔を出すのは配達人のいつものお兄さんだし、部長さんはめったにというか、季節ごととか、新たに入荷した珍しい品種を隔月に一度ぐらいの割合で…

小説は大人の読み物です 「テーブルマナーはお手の物 4」

「様子を見てくるよ。やっぱり窓が気になる」おもむろに鈴木は粒の大きな雨の中へ再び出て行った。気乗りしないが、種田も小走りに駆けた。鈴木が呼び鈴(iner phone)を押す。登校時間の午前八時前後に高山秋帆(たかやまあきほ)は姿を見せてはいない、今日も…

小説は大人の読み物です 「テーブルマナーはお手の物 4」

「様子を見てくるよ。やっぱり窓が気になる」おもむろに鈴木は粒の大きな雨の中へ再び出て行った。気乗りしないが、種田も小走りに駆けた。鈴木が呼び鈴(iner phone)を押す。登校時間の午前八時前後に高山秋帆(たかやまあきほ)は姿を見せてはいない、今日も…

小説は大人の読み物です 「テーブルマナーはお手の物 3」

「五月二十七日の午後十一時四十三分頃だと思います。間に合いそうもない、諦めかけて歩いてました、地下を。……確か、前に男の人が歩いていて、追い越したんです。、その人上を天井を見上げてるみたいで少し気持ち悪そうだなって、不審者が頻(よ)く出るって…

小説は大人の読み物です 「テーブルマナーはお手の物 3」

「五月二十七日の午後十一時四十三分頃だと思います。間に合いそうもない、諦めかけて歩いてました、地下を。……確か、前に男の人が歩いていて、追い越したんです。、その人上を天井を見上げてるみたいで少し気持ち悪そうだなって、不審者が頻(よ)く出るって…

小説は大人の読み物です 「テーブルマナーはお手の物 2」

「階段へお客さんの列を誘導して、なんと雨でもお客さんを帰さない工夫を凝らしてるわけですよ」興奮気味の小川安佐は休憩を終えて真っ先にそのことを伝えたかったが、昼食(lunch)の仕込みと、館山リルカはpizza(ピザ)生地の精生(せいせい)に掛かりっきり。…

小説は大人の読み物です 「テーブルマナーはお手の物 2」

「階段へお客さんの列を誘導して、なんと雨でもお客さんを帰さない工夫を凝らしてるわけですよ」興奮気味の小川安佐は休憩を終えて真っ先にそのことを伝えたかったが、昼食(lunch)の仕込みと、館山リルカはpizza(ピザ)生地の精生(せいせい)に掛かりっきり。…

小説は大人の読み物です 「テーブルマナーはお手の物 1」

市内の中心地O駅を西へ、二区画(block)進む。傾斜の急辛(きつ)いでんぐり坂を二つ目の信号で逸れ茶色の雑居ビルを過ぎた先に着く、徒歩で約十分の距離。種田は毎日この経路(root)をO市警察署まで歩く。有形文化財に指定される近代建築の代表作が勤務先と聞…

小説は大人の読み物です 「テーブルマナーはお手の物 1」

市内の中心地O駅を西へ、二区画(block)進む。傾斜の急辛(きつ)いでんぐり坂を二つ目の信号で逸れ茶色の雑居ビルを過ぎた先に着く、徒歩で約十分の距離。種田は毎日この経路(root)をO市警察署まで歩く。有形文化財に指定される近代建築の代表作が勤務先と聞…

小説は大人の読み物です 「する」と「できない」の襲来 5

平謝り。松本商店の専務と部長がようやく帰った、店長の気難しい態度を腹を立ててると勘違いしたみたいだった。顔を出すのは配達人のいつものお兄さんだし、部長さんはめったにというか、季節ごととか、新たに入荷した珍しい品種を隔月に一度ぐらいの割合で…

小説は大人の読み物です 「する」と「できない」の襲来 5

平謝り。松本商店の専務と部長がようやく帰った、店長の気難しい態度を腹を立ててると勘違いしたみたいだった。顔を出すのは配達人のいつものお兄さんだし、部長さんはめったにというか、季節ごととか、新たに入荷した珍しい品種を隔月に一度ぐらいの割合で…

小説は大人の読み物です 「する」と「できない」の襲来 4の続きの続き

ツルムラサキの性質を見極めるべくお湯に潜らせた、frying pan(フライパン)へ水をしっかり拭き熱を加える。傍ら、芯が軟らかくなる頃合、熱湯でぐらうぐる踊るツルムラサキを今かいまやと小川安佐は合図を待つ眼差しを投げかける。 店主はチョウと呼ばれた人…

小説は大人の読み物です 「する」と「できない」の襲来 4の続きの続き

ツルムラサキの性質を見極めるべくお湯に潜らせた、frying pan(フライパン)へ水をしっかり拭き熱を加える。傍ら、芯が軟らかくなる頃合、熱湯でぐらうぐる踊るツルムラサキを今かいまやと小川安佐は合図を待つ眼差しを投げかける。 店主はチョウと呼ばれた人…