コンテナガレージ

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仕事(フリーライター)、日常、小説、その他諸々

本心は朧、実態は青緑 3

 特殊なファンの集いの存在を、私は聞きつけて入会を訴えた。アイラのためだから、彼女のことをより深く、正確に感じ取る、それには時間的な面から一人では不可能だと、判断したの。大人数でしかも定期的に会合を開く会は眼中にないどころか、選ばない理由しか浮かんでこない。少人数に的を絞って、やっとある会を探し当てた。アイラが唯一インタビューに答えた過去の二誌の読者投稿欄へ寄せた会員募集の数十字を手がかりに、サイトがネットの検索にヒット、会合の規定と私書箱の番号を調べ上げた。

 多少、怪しげな雰囲気だった覚えがある。薄紫の背景色はかなり過去に遡って作られたウェブサイトっていう印象。訪問数をカウントする数字が私固有のナンバーであることが規定に書かれていた。

「ニ」私の数字。ずらずらっと画面に映る簡素な説明文に入会手続きの詳細は含まれていなかった、サイトにアクセスした、その時点でどうやら入会は了承されているらしい。もう一回訪問しても私の数字をカウンターは記録するのだろうか、不審な点ばかりだったが、潔い佇まいはこれ以上の詮索にブレーキをかけた。不思議と指示に従えば、いいのだろうと、珍しく私は人の言い分に素直に従ったのだったな。

 そうして今月。

 第二週に手紙を受け取った、返事を翌週の月曜までに私書箱に届くよう手配するべし、という内容が書かれた紙と前任者の手紙が一通、そこに入っていた。意味深な規定に思えたけれど、騒ぐために集まる会合とは醸し出す気配が異なっていた。嗅覚は働く、敏感に。良好な感度は、もちろん類似の人種を探すために磨いたわけではなかったが、偽りの外装を被ったものであるかどうかの判断は無意識に、そう体が教えてくれて、見極めがついてしまう。

 マリカは夕暮れが迫り、雨が上がって、冷え冷えくしゃみと震えが襲っても、厭わず、ただ愚直にお尻と体を支える足を交替させたりしつつ、時間を費やした。

 最近はアイラの楽曲と距離をとる。すっかり忘れきるのだよ、わからないのか?呼び起こすためさ、また呼んでもらうためさ、聞かないその代わりにライブには顔を出すつもり。

 その前に手紙。