コンテナガレージ

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本日はご来場、誠にありがとうございました3-3

 鈴木は店員を解放する。

「違うとは言い難い、ようです」鈴木は苦笑いを浮かべた。「うーんなんとも要領を得ないというか、豆によっても抽出ですか、お湯を注ぐ温度や湯量も異なって、機械を使った場合、あっと、わっとなんだったか、ハンドドリップだとかなりその工程に差は生まれるけれどもです、あのような作り方は大よそ理に適った作り方だろう、とのことでした、はい」ふう、と鈴木は灰皿に置いた煙草を手にとって吸い込んだ。

 足並みが不ぞろい、種田が単独で話を引き戻した。「S市警察が組織の利害関係に帰属した事実の閉口、とあなたの見解ですが、事前に発言を禁じる、これがS市警察の妥当な応対ではないのでしょうか」

「S市警察は通常通りに行われる捜査手法の段取りは、取っていないように考えます。思い返してみたら、彼らは現場をあなた方に見せた直後に封鎖、そして周辺の聞き込みもを禁じた」

「それは、何度も聞いた、聞き飽きました」

 店主はポップコーンのランダムな暴発に似た、種田の暴言を受け止めて、続ける。「しかも、捜査の権限は限りなく少ない範囲で譲渡は維持、おそらく捜査を続ける体裁を誰かに見せ付ける、そういった狙いで呼ばれた」

「正確にいいますと、同じ話を聞いたのは三度目です」

 店主は取り合わない。「しかし、そうはいってもあなた方は死体を見ることができた。偶然か、はたまた必然か、神の仕業か、悪魔の手引きか、どちらにせよ、事件に関わりや興味を失うことが回避されたでしょう。そうして、監察医、解剖医ですか、医者の見解を直接収集した。ただし、ここでも待ったがかかる。死因となった外傷はひどく普遍的なコンクリートブロックの殴打という他殺の事実が浮かび上がった程度で、被害者の遺体がコンテナに運び入れられた経緯の真相は不可解のまま、持ち越された」

「また、コンテナの話に引き戻しますか、いいでしょう」種田がパシンと腿を打ち鳴らす。「コンテナは死体の発覚を恐れたブルー・ウィステリア側の非常な混乱の最中に起きた、異常行動と見受けられる。警察を呼び、話し合いの場がもたれ、互いの利害が数時間、死体をコンテナに収める特異な状況を作り上げた。これらが突発的起きた事態と正反対に、確約された何者かの策略とあなたはおっしゃるのですか?」